| 管弦楽作品集 デヴィッド・ジンマン指揮 バルティモア交響楽団 英Argo 436 288-2 |
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バーバーの初期管弦楽作品を鳥瞰する内容。オーケストラはふくよかな響きを持っていてダイナミックだ。
《弦楽のためのアダージョ》はもともとの弦楽四重奏と違って低音にコントラバスもダブっているので、余計にゴージャスになる。しかし旋律を過度に揺らせて歌うことはせず淡々と進むので、もっと痛切な表現を求める人には物足りないのかも知れないが、緊張感は間違いなく持続しているし、表現が薄くなることもない。最強奏の部分まで自然に持っていってくれるのである。 《悪口学校》序曲もテンポを速めに設定しているため、他の演奏よりもセンセーショナルさが強調されている。バーバーは単にセンチメンタルなロマン主義で書いていた訳ではなく、古典的な形式美も兼ね備えていたことを感じさせる。 第1エッセイも過剰に劇的効果を最初から狙わずに、作品のシンフォニックな側面を照らし出す解釈である。(02.12.21.執筆、05.4.5. 追加、この項未完成) 収録曲 《弦楽のためのアダージョ》(弦楽四重奏曲Op. 11より)、《管弦楽のためのエッセイ》第1・第2、《シェリーの一場面からの音楽》、《悪口学校》序曲、第1交響曲 |
| 管弦楽作品集第1集 マーリン・アルソップ指揮ロイヤル・スコットランド国立管弦楽団 香港Naxos 8.559024 |
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収録曲 交響曲第1番、交響曲第2番、管弦楽のためのエッセイ、《悪口学校》序曲 交響曲第1番の演奏はイギリス系のオケらしく明確なアーティキュレーションが特徴的だ。そのはっきりとした響きが、感情うごめく第1部・スケルツォの第2部の爽快さ、ならびに後半部分の印象的な力強さにつながっている。しかしアルソップは第4部のパッサカリアのテンポを引きずるように遅く演奏する(もっとも、これは彼女だけのやり方ではない)。ブルーノ・ワルターやデヴィッド・ジンマンの第1が成功しているのは、このパッサカリアが、たたみ込むような効果を持っているからではないかと思うのだが、どちらかというとアルソップは第3部の緩徐楽章部分も含めて、ややバーバー固有のリリシズムに浸りすぎて、くどくなるきらいもある。もっともそのテンポでも音楽の張力が切れてしまうことはないので、オーケストラの機能性を含めて、よい仕上がりになっているとは思う。 同時収録は、第2次大戦中に書かれ、作曲者が破棄したとされる第2交響曲。しかし、彼の死後リヴァイバルが起こり、録音もいくつかある。例えばストラディヴァリウス・レーベルから出ているアンドリュー・シェンク指揮ニュージーランド交響楽団のものは、やや醒めたところもあるが、まとまった演奏ではないかと思う(ヤルヴィが英シャンドスにいれたものは、第1楽章など、楽想の流れがあまり良くなかった印象を持っている)。しかし、このCDに収録されたアルソップの演奏は、バーバーの後期作品が単に半音階を多用し無調と調性の間を渡り歩いたものではなく、底辺にそこはかとないロマン的気質を持っていることを物語っている。この感覚は、おそらくバーバーの自演盤LP(英ロンドン/米エヴェレスト)にもあまりなかったものではないだろうか。クーゼヴィツキー/BSOの演奏も伊As Discから発売されていたが(現在入手困難)、一度それと比較してみたいものだ。 米VoxBoxの組み物CDに、確かバーバー作品の選集があり、そこに伊ストラディヴァリウス・レーベルから出た2つの交響曲が収められていたと思う。しかし、1枚で一気に2つの交響曲が聴けるCDは、これが初めてではないかと思う。もちろんナクソスは、今後2枚のCDを出すことにより、やはりバーバー選集を完成させることになるのだが、それにしても最初にこの大曲2つが聴けるのはうれしい。 カップリングの《悪口学校》序曲、エッセイ第1番も含め、このバーバー管弦楽選集第1巻は、気がねなく勧められる一枚である。値段も安い! なお、指揮者のマーリン・アルソップは、アメリカの公共放送では、よく聴かれていると思う。(以上2000.6.5.、2001.1.20.訂正、2005.3.28. 改訂) |
| 交響曲第1番 ハワード・ハンソン指揮イーストマン・ロチェスター管弦楽団 米Mercury SR 90430 |
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嫌みのない十全なロマンチシズムの感ぜられる充実の演奏。モノラルながら、低音の効いたシャープな録音。カップリングはハンソンの第5交響曲。だがマーキュリーは数多くの再初盤をリリースしており、おそらくこれはオリジナルのカップリングとは違うのだろう。(執筆日不明) |
| 交響曲第2番 セルゲイ・クーゼヴィツキー指揮ボストン交響楽団 伊AS Disc AS 563 |
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1944年4月4日シンフォニー・ホールによる初演のライブ録音。バー
バーは後にスコアを破棄しており、この初演以外の録音で聴けるのは、すべて後にイギリスで発見されたパート譜から作られた改訂版スコアを使用しているといっていいだろう。 決定的に違うのは第2楽章の最後の方で聴かれるビーコンの音。か細いピーピーという電子音が聞こえてくる。第3楽章ではトランペットがトレモロで割り入ってくる箇所もある。 演奏は迫力に富み、第2交響曲が安易なノスタルジアを払拭した作品であることを強く認識させてくれる。 カップリングはロイ・ハリスの第6交響曲《ゲティスバーグ》とエルンスト・トッホの《ピノキオ序曲》。(2003.12.21.) |
| 交響曲第2番、シェリーの場面のための音楽、管弦楽のためのエッセー第1番、弦楽のためのアダージョ アンドリュー・シェンク指揮ニュージーランド交響楽団 米Stradivali Classics SCD 8012 |
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第2交響曲を初めて聴く人にも勧められるCD。演奏は小気味よいテンポで爽快に進む。端正な音楽は薄めに響くので、もっと激しく、また芯の詰まった演奏を好むリスナーがいる可能性もある。輝かしさはあっても暖かさが欲しいという人もいるだろう。オーケストラの音色、録音もそういった要素に関係しているのだろうか。しかしあまりオーバーなリタルタンドをしていないこともあり、第2交響曲の、時に不協和で古典的な味わいのある作風には合っているように思う。 なお第2交響曲以外の演奏もダイナミックでスムーズである。筆者個人は好きな部類の演奏。(05.3.28.) |