アール・ブラウンの音楽



Available Forms I ブルーノ・マデルナ指揮ローマ交響楽団
米RCA Victrola VICS-1239 (LP)
RCAからリリースされていたマデルナによる現代音楽シリーズ3枚のうちの第1弾。五線紙をいくつかのエリアに分け、それぞれにエリアに1、2という数字がふってある楽譜は音楽史の本でよく見るお馴染みのもの。案外録音を聴く機会に恵まれない。といって筆者が図書館にあった楽譜を見てこの録音を聴いたところで、いったいいつ誰がどこを演奏しているのか、全く追えなかったというのが本当のところ。楽譜は楽譜で、音は音で、それぞれに楽しめるのだが、なぜか一緒にすると楽しめない、不思議な体験だった。

頭の中では、「おそらくこれは管理された偶然性なんだろうな」ということは分かっていても、さてどうしたものか。いや、演奏がつまらなかった訳ではない。「なるほど、こんな音が隠れていたのか」とか「構造はこうなっているのが、耳では分からなかったなあ」とか、スコアを見ながら音を聴く楽しみというのはそういうところにあるんだろうと思っていた。それがこの作品ではできないということに対する、自分の能力のなさ(?)に対するいらだちのようなものだろうか。

自分の無能を棚に上げて考えれば、おそらくそういったスコアの楽しみ方というのはブラウンの音楽の楽しみ方じゃないのだろうと思う。もっと演奏された音に耳を傾けるべきなのだ。隠された音を発見するのは演奏者たちなのだろうし、構造はそもそも崩されることも重要なのだ。(05.5.31.)


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