仮面ライダーX CONCLUSION GOD'S WAR
シーン#0 神話絵本
ティナの声「ある時、闇の王が太陽の精霊にこう言いました。
お前の炎で一度、この世を焼き尽くしてしまうが良い、そうしたら、焼け跡に太陽の帝国を作らせてやろう。
本当ですか?ならば私がその帝国の王様だ。
太陽の精霊は、はりきって地上を燃やしに掛かりました。
太陽には決して逆らえないと思っている地上の人々は、最初からあきらめて戦おうともしません。
この世界を焼き尽くすなんて、そんなことを許してなるものか!
そう言って炎の前に立ちふさがったのは、小さな小さな、たった五匹の蟻でした。
お前達、何か武器を持っているのか。
闇の王が蟻達に問います。
僕達に有るのは、勇気だけだ!
そう答えた蟻達の心意気に打たれたのは、風神の息子です。
ようし、おいらも蟻達に加勢するぞ。
風神の息子は、風の力を蟻達に与え、五匹を蟻の神モッデーンに変えてやりました。
暗転
テロップ「原作:石ノ森章太郎」
シーン#1 沖縄 恩納村の砂浜
息を切らしながら必死で何かから逃げるように走っている白ワンピースのタイ人少女ティナ。
浜の砂が五ぼう星の形に盛り上がり、その星型がティナを追うようにどんどん増殖して行く。
とうとう追いつかれ足下を星型に取り囲まれてしまったティナ、立ち止まる。
ティナの真横の星型の真ん中に、獅子の鬣を持った馬づらの人の顔が浮かび上がる。
ティナ「ヒ!」
逃げようとするティナだか、その片足を星型の脇から飛び出した右手がつかむ。
少女の悲鳴。
もう一方の脇から飛び出た猛獣の爪を持つ左手がティナのワンピースの裾を斬り裂く。
星型は怪人ヒトデヒトラーの頭部だった。砂の中から起き上がりティナを押し倒すヒトデヒトラー。
ティナ、一層甲高く悲鳴。周囲のヒトデヒトラー数体も起き上がりティナに群がる。
遠方から響くバイクの爆音、だんだん近くなってくる。ティナを押さえつけていた手を放し振り返るヒトデヒトラー達(ただしティナの左手をつかんでいる一人だけはそのままつかんでいる。
浜を埋め尽くしている星型は、その全てに顔が浮かび上がっている。その向こうから、クルーザーにまたがり疾走してくる神敬介。クルーザーのタイヤに踏まれる度「ギャー!」と悲鳴を上げる星型の顔。
敬介、ベルトからライドルを引き抜き剣に変形させる。
クルーザーを恐れるかのように消えて行く浜の星型達。
ティナを囲んでいたヒトラー達も、ばらばらと逃げ出す。
ティナの片手をつかんでいた一人だけが、ようやくティナを放し、クルーザーに向かってくる。
敬介、ライドルソードで「X」を描くように斬撃、刃先の軌跡がそのまま「X」のロゴとなり画面左から「仮面ライダー」のロゴがスライドインし始めると同時にオープニングテーマ「セッタップ!仮面ライダーX」のイントロスタート、画面下端に「CONCLUSION
GOD'S WAR」の文字がオーバーラップ。
オープニング
シーン#2 ニューヨーク 夜
摩天楼の階段を必死で駈け上がる若い日本人女性。
登り切った所でドアを見付けそこから出てみると、そこは屋上だった。
手摺りの外、下方から、羽ばたきながらゆっくり姿を現わすコウモリフランケン。
日本人女性、階段へとって返そうとするが今度はドアが開かない。
フランケン「ケケケケケ。」
卑下た笑いと共に手摺りの内側に降り立ち女性に迫るフランケン。
その時、夜空にバイクの爆音が響きわたる。
女性が襲われているその隣のビルの屋上で、サイクロンのエンジンを噴かす仮面ライダー1号。タイヤを鳴らしてサイクロンをスタートさせる。
手摺りの手前でサイクロン、ジャンプ。排気管に偽装した補助ロケットがイオンを噴く。
ビルとビルの間を軽々と飛び越え、フランケンが女性を襲っている屋上に着地したサイクロン、スピードを殺すことなく弧を描きながら回り込み、フランケンをはねる。
階段室の外壁に激突、そのまま壁を擦りながら倒れるフランケン。
階段室のドアがおもむろに開き、中から現れたFBI捜査官・滝が女性を助け起こす。
滝「さあ早く!今のうちに。」
階段室に消える滝と女性。
ライダー1号、必死で起き上がろうとするフランケンの翼を片方踏みつけ、上がった逆側の腕を片羽千鳥(チキンウイングアームロック)に固めてしまう。
1号「さあ言え!お前達はいったい何者だ!」
問いつめながらフランケンの腕を絞り上げる1号。骨の軋む音。
フランケン「クケーッ!(苦痛の叫び)」
1号「組織の名前は!」
フランケン「ウ、ゴ、GOD。」
1号「GODだと?何だそれは!」
1号、絞め上げる手に更に力を込める。
フランケン「ア!ガ、ガバメント・オブ・ダークネス…」
滝の声「本郷!危ない!!」
隣のビルの屋上からコウモリフランケンの別個体(背中にRPG対戦車ロケット砲を装備した強化型)、RPGを発射。
爆発が起きる屋上。
真下のフロアでは天井が瓦解し、落ちてくる。
コンクリートやガラスの破片が深夜の路上に降り注ぐ。その中をサイクロンで走り抜けるライダー1号、改造バイク・スカルチェイサーで後ろに先程助けた女性(フルフェイスヘルメット着用)を乗せ走り抜ける滝(スカルヘルメット着用)。
シーン#3 ミンダナオ島 バリカタン作戦域内
熱帯雨林を息せき切って駆け抜ける一文字隼人、右手には愛機のニコンFブラックをつかんでいる。銃声や爆発音が遠くから、ただしあちこちの方角から響いている。
林を抜け断崖に到達、そこから谷を見降ろす。
谷合に建てられた寺院(イスラムのモスクではなく仏教の寺院だ!)を襲撃する黒ずくめ、穴開きニット帽の集団、明らかに米兵でもフィリピン正規軍の兵士でもなければアブサヤフゲリラでもない。そいつらが逃げ惑う僧侶達をマシンガンで狙い撃ち、またはスペツナズナイフの標的にしている。
ベルトのダイナモを回しライダースーツを纏う一文字、マスクを被りクラッシャーをセッタップ、断崖を駆け下りる。
一文字ライダー(以降2号と呼称)に気付きサブマシンガンを撃ってくる戦闘員A。
弾丸が当たっても平気で突進してくる2号、戦闘員Aの手からマシンガンをもぎ取り台じりで殴り倒す。
戦闘員3人が2号にマシンガンを向け一斉に集中砲火、2号はそれを意に介すそぶりも見せず3人の頭上を飛び越え、寺院入り口に止まっている装甲車へ向かう。
目的は装甲車のコンテナ、その中にストックされた武器、弾薬類の破壊、爆破。
装甲車のコンテナのドア型ハッチが開き、中からRPG(対戦車ロケット砲)を担いだ戦闘員Bが現れる。
戦闘員B、ロケット砲を発射。
2号、三戦立ちの構えでロケット弾を受けとめ投げ返す。
投げ返されたロケット弾、発射されたランチャーに激突する寸前で消える。
驚いて固まる2号、その隙を見逃さずスペツナズナイフを手に背後から飛びかかる戦闘員C。それを振り返る事なく裏拳で打ち倒す2号。続いて飛びかかってきた戦闘員Dを後ろ蹴りで撃退。
あまりにもあっさりした仲間のやられっぷりに、ナイフ持ったまま躊躇している戦闘員E、その背後の草むらから突然躍り出たタイ人青年コチャン、跳び肘打ち下ろしをEの脳天に見舞う。地べたに崩れる戦闘員E。
2号「誰だ、危ないから入って来るんじゃない!」
にやっと笑い、おどけて猿の仕種をまね、顎など掻いたりして見せるコチャン。横からinしてきた戦闘員Fの胸に回し蹴りをたたき込む。
2号「よせ!」
数メートルふっとび大きな岩に背中を打ち衝け動かなくなる戦闘員F。
その岩の上に仁王立ちのクモナポレオン、右手から下がっているスパイダーネットの端に、先程消えたロケット弾を振子のように反動付けてコチャンめがけて投げつける。
ロケット弾はコチャンの頭部に命中し爆発。
爆風に煽られながら顔を背ける2号。
治まり行く爆焔の中、ぴんぴんして立っているコチャン。
2号「な、ちょ…オマエ!」
装甲車のハッチ口から戦闘員B、今度はサブマシンガンをコチャンに向け連射。
弾があたってもまったく平気なコチャン、右腰に下げた革袋から卍サイを取り出し、その刀身をベルトの止め金に打ち衝ける。
ピィィィ…ィィィン。
澄んだ音が辺り一面に響き渡る。コチャンが卍サイを額にかざすと、そこから空間の歪みが波紋状に拡がりコチャンを包み込んで行く。
波立ち、ねじれた空間の歪みは竜巻の形を成し、その中から甲冑をまとった白毛の大猿(以降ハヌマーンと呼称)が現れる。
合掌し、咆哮するハヌマーン。
2号「うう、俺は夢でも見てるのか?あんな奴が、俺達意外にも!」
ハヌマーン、いつのまにか二丁となった卍サイを振るい戦闘員達を次々に倒して行く。
2号よりも、もっと驚き、呆気に取られていたのはクモナポレオンだった。その隙を突いて2号がジャンプ、空中で卍キックの体勢に入る。
間一髪でクモナポレオンが横跳びに逃れたため卍キックは今しがたまでクモナポレオンの立っていた大岩に当たりこれを粉砕する。
外の戦闘員を全滅させたハヌマーン、いよいよ装甲車に向かう。
しぶとくマシンガンを撃ってくる戦闘員Bを入り口から投げ落とし、コンテナの中へ入るハヌマーン。
程なくして大爆発を起こす装甲車。
爆発の中から、炎を纏って飛び出すハヌマーン。
すぐに炎は消えたものの、まだ甲冑の隙間から煙の燻る状態で、2号に駆け寄るハヌマーン。
2号(ハヌマーンの後ろを指さしながら)「油断するんじゃない!」
未だ燃え盛る装甲車の残骸を飛び越しながらネットを撃ち出すクモナポレオン。
ネットで一からげに捉えられた2号とハヌマーン。
2号「くそ!」
身動きできない2号。
ハヌマーン、網の目の間から何とかかんとか両手を出し、二丁の卍サイを互いに打ち鳴らし、叫ぶ。
ハヌマーン「ガルーダァー!」
シーン#4 エジプト 砂漠地帯
所々で起こる爆発。その爆発をかいくぐり疾走するV3のハリケーン。
ハリケーン、ジャンプ。そのすぐ後ろでひときわ大きな爆発。
上空からV3を追うスフィンクス、背中には、もとショッカーの幹部でもあった老紳士(以降サハラ将軍と呼称)が乗っている。
サハラ「撃てーっ!」
口から火球を発射するスフィンクス。
V3、砂にタイヤをとられ難儀しながらも重心を巧みに操り火球をかわす。火球の落ちた地点が、また爆発。
ハリケーンのエンジンが砂を噛み、徐々にスピードが落ちている。一方で空を飛んでいるスフィンクスは、低空飛行に移ってぐんぐん追い上げてくる。
V3のすぐ後ろまで迫ったスフィンクス、くわっと口を開くと、喉の奥からせり上がってくる炎が見える。
V3「くっ!」
スフィンクスが火球を発射した瞬間、V3とスフィンクスとの間の僅かな地面から砂塵が巻き起こり火球を弾き跳ばした。
砂塵の中から怪鳥ガルーダ出現、突進してきたスフィンクスの顔面にカウンターで鋭い爪を差し出す。
ガルーダの爪に両目をえぐられるスフィンクス。ガルーダはスフィンクスの眼窩を足がかりに飛び立つ。
スフィンクス「ギャアアアアアアアア!」
砂漠を転げ回って暴れるスフィンクス。
たまらず砂の上に投げ出されたサハラ将軍。しばらくのたうち回ってようやく起き上がり、上を見上げて狼狽。
サハラ「あああああああああ!!」
空中で反転、そしてライダーキックの体勢に移行し突っ込んでくるV3。
サハラ将軍、マントを翻すと砂塵が巻き上がりサハラ将軍とスフィンクスを瞬時に包む。
砂塵に突っ込むV3キック。
砂塵が治まると、砂まみれのV3、仁王立ちでガルーダの飛び去った方角をボーッと見つめている。
既に遠く、小さくなっているガルーダ。
V3「なんだ?あれは。」
シーン#5 カサンドラクロス
切り立った崖の間をすれすれに飛ぶキングダーク。片方の崖にぶつかり、瓦解した大きな岩が谷底へ転がり落ちて行く。
谷底を転がる岩をフロントカウルの4連ドリルで粉砕してライダーマンの乗る専用バイク・ジュピター出現。
ジュピター、フロントカウル両サイドのブーメランカッター発射。
2丁のブーメランカッター、キングダークのボディに、火花を散らしながら何度も当たるが、キングダークのボディには傷一つ残らない。
キングダークを追い爆走するジュピター、戻ってきたブーメランと一旦すれ違い、再び追随してきたカッターを電磁誘導で元の位置に収納する。
断崖の頂上で停車するジュピター。
遥か彼方へと飛び去って行くキングダーク。(日本を目指している方角だ!)
何かを決意したかのように口元をきつく結び、ジュピターをターンさせ下りて行くライダーマン。
シーン#6 東京 立花モーターショップに併設された喫茶店(以降立花コーヒーショップと呼称)
カウンターで高校生アルバイトのレイが、コーヒーの煎れ方をティナに説明している。
レイ「いい?ティナ、粉はこうセット、したら火をつけて、お湯は勝手に上がってくるからこれで少しだけかき混ぜるの。
少しだけよ。混ぜすぎると苦くなっちゃうからね。
苦いの好きな人も居るけど、ウチの店の味ってもんが有るから…」
一番奥のボックス席で話し込んでいる神敬介と立花藤兵衛。店には他に客の姿は無い。
立花「改造手術されている!?
あんな、女の子がか?」
敬介「上顎の骨に、パーフェクターのセッタップ金具が埋め込まれています。
幸い、日常生活に支障を来す事は有りませんが…」
敬介、ぎこちない手つきでコーヒーを注ぐティナの方をちらりと見やり、
敬介「沖縄で海兵隊員に拉致され無理矢理手術を受けさせられたと言っていますが、恐らくは米海兵隊を装った別の組織。」
立花「お前の言ってる、GOD機関って組織の事か?まあ、お前と同じパーフェクター…神敬一郎博士から奪った技術を持っているとすると、大いにありえる話だが…
しかしあの子は何だって沖縄なんかに?」
敬介「盗まれた仏像の首を探すため、だそうです。」
立花「仏像!?
とは又偉く信心ぶかい事だな。」
敬介「彼女の国では仏像は何よりも価値の有る物、そして神聖な物なんですよ。」
シーン#7 回想
タイの寺院、戒壇に土足で上がり、鑿とハンマーで仏像の首を切り取る三人組の泥棒。
その現場を発見し数珠を片手に怒鳴り込む和尚だが、泥棒の一人に拳銃で撃たれ倒れる。
敬介「戦争難民だったティナを引き取り養ってくれていたお寺から、そこでもっとも高価だった仏像の首が盗まれ、和尚が重症を負ったんです。」
銃声を聞き駆けつけたティナ、泥棒の一人につかみ掛かるが、膝蹴りであっさり突き放され、別の泥棒から棍棒で頭、腹など数発ド突かれ戒壇から突き落とされる。
敬介「それ以来、怪物が時々現れ村人が襲われる事件が頻繁に起きるようになったと言うんです。」
夜道で通行人を襲うGOD怪人。
敬介「そこで犯人の顔を知っているティナが、仏像の首を探し出そうと」
ティナにマシラ神の御守りを託す病床の和尚。
ティナに餞別を包んで渡す村人達。
シーン#8 立花コーヒーショップ
立花「それが、何だって沖縄に仏像があると思ったんだ?」
敬介「これが盗難現場に落ちていたんです。おそらく、争った時に犯人の衣服からでも落ちたんでしょう。」
そう言って敬介が立花に見せたのは、緑地に赤い日輪が描かれ、その中央に「SG」の文字が彫られたバッジだった。
立花「これは…SG会のマーク!?」
敬介「です。
沖縄に総本山を置くカルト教団、その信者の中でもごく上位の幹部が身に付けている、プルシャと呼ばれるものです。」
立花「いくら新興の宗派だからって、坊さんが他所の寺から仏像を盗んだと?
しかも教団幹部が自ら!」
敬介「表向きクリーンなイメージをことさらに強調しているSG会だからこそ、一般信者に裏の顔を知られる訳に行かないのでしょう。
どうですおやっさん、ちょっと調べてみようと思うんですが。」
立花「うむ…だが気をつけろ。
なにしろお前はまだ…
おっ!」
立花、紅茶を一口飲むやいなや賞賛の声。
ティナ「チャイ、ツクテミマシタ。」
立花「ほほっ、こいつはイケる。」
敬介「どれどれ。」自分もカップを口に運ぶ。
レイとティナ、顔を見合わせると満面の笑みで互いの掌をパン、と打ち鳴らす。
シーン#9 沖縄 SG会館地下格納庫
格納庫歩廊最上階に立つ白スーツにサングラスの紳士。背後の手摺りの向こうにキングダークの頭部。
キングダークの両目がプロジェクターとなり壁に二つのモニターを写し出す。左のモニターにサハラ将軍、右のモニターにはコウモリフランケン(強化型)が映っている。
キングダーク「サハラ将軍!風見志郎を仕止め損なったそうだな。」
モニターの中で恐れおののき土下座するサハラ。
サハラ「申し訳有りません!」
キングダーク「貴君の報告にあった鳥型の巨大生物だが、先日フィリピン支部を襲撃したものと同一個体である事がはっきりした。」
サハラ「何と!重ねがさね申し訳有りません。」
キングダーク「確かに、想定外の事であり貴君がその巨大生物を仕止める事は、いかなる方法を用いようとあの状況下では不可能であった。
しかしながら、その生物のため我がGODフィリピン支部は指揮系統を失いほぼ壊滅状態となっておる。
そこで貴君は今この場よりフィリピン支部長代理を兼任し、支部の再建及び機能回復を急務とするのだ!」
サハラ「ハハーッ!寛大なる処分に感謝いたします。」
紳士「お言葉ですがキングダーク殿、時既に手遅れかと、推察いたします。」
サハラ「な、何を申すか新顔の分際で!」
紳士(サハラは無視してキングダークに向かい)「フィリピンと云えばモッデーンの一人である一文字隼人の潜伏先です。その巨大生物とやらが現地で一文字と、なんらかの接触を持ったと考える方が自然ではないでしょうか?
直接の接触が無かったとしても、奴の本来の目的であるGODのフィリピン支部がほぼ壊滅状態となったんだ。当面、一文字がフィリピンに留まる理由はないはず、となれば、奴は既に日本に向かっているのではないでしょうか、恐らくは、その巨大生物も一緒に。」
無言のサハラ。
キングダーク(しばし間を置いてから)「コウモリフランケンよ、そちらの首尾はどうだ。」
フランケン「ハッ!予想した通り、本郷猛とおぼしきモッデーンが姿を現しました。
ただいまいましい事に…」
首を傾げるキングダーク。壁に映ったモニターの位置も、それに合わせて動く。
フランケン「FBIのネズミと、またしてもつるんでおります。」
キングダーク「FBIなら同志J.W.Bの支配下に有る。手は回してあるはずだが?」
フランケン「その、滝と云う日本人捜査官、上層部の意向を無視して勝手に捜査を進めると、兼ねてより悪評の有る男でして、かつての組織「ショッカー」壊滅の裏にもそ奴の暗躍があったとか。」
キングダーク「ふむ、そう言えば余もここへ向かう途中、元デストロンの科学者結城丈二と思われるモッデーンの戦闘バイクから襲撃を受けている。
奴ら、既に何かを感づいているのやも知れぬ。
モッデーンの日本集結だけは阻止せねばならぬ。コウモリフランケン!貴君は今より空路を見張れ。本郷達が日本へ向かおうとしていたら、空にて迎え撃つのだ!」
フランケン「ケケーッ!」
不意に扉に向かって歩き出す紳士。
サハラ「こ、これ!どこへ行くか沼田!キングダーク様の御前で、失礼であろう!」
紳士「虫けらが…それも幼虫が一匹迷い込んだようでしてね、少々懲らしめてまいります。」
何も言わないキングダーク。
シーン#10 SG会館(外)裏の舟付場
窓から転がり落ちるように這い出し、片足を引きずりながら桟橋目指して走る中年男性。だが二人の黒スーツの男達にすぐ追いつかれ、俯せに取り押さえられてしまう。
男性「(絶叫)もう勘弁してくれえ!これ以上の御布施なんて、私の収入ではもうとても…」
黒スーツの男A「収入が増えないのはあなたの信心が足りないからです。今ここでつらいのを我慢して、信心を形で示すのです。そうすればきっと御利益がありますよ。」と口では穏やかに言いながら、固めた男の肘関節を絞り上げる。
紳士(以降沼田と呼称)「これこれ、信心と云うものは、そのように強要するものでは有りません。」
いつのまにか桟橋の先に立っていた沼田、取り押さえられた男のほうへゆっくり歩み寄る。
男性「ぬ、沼田先生、どうかお願いです、脱会をお許しくださあい!(絶叫)」
沼田「この方は、俗世間にまだ迷いが残っているのです。一度…魂を抜いて差し上げなさい。」
黒スーツの男A「ありがたきお言葉。」言うやいなや、極めていた男性の腕をそのまま折る。
悲鳴を上げ桟橋の上を転げ回る男性の腹に、蹴りを入れる黒スーツB。
黒スーツB、懐から取り出した拳銃を、うずくまってうめく男性の蟀谷に充て安全装置を解除する。
その時、海中から伸びてきたライドロープが黒スーツBの拳銃持つ腕に巻き付き、そのまま海に引き落とす。落ちた黒スーツBと入れ替わるかのように、顎にパーフェクターだけを装着した敬介が海から飛び出し桟橋に降り立つ。
敬介、グリップのスイッチを操作しライドルをスティックに変化させると大きく円を基本とした動きで振り回し、スペツナズナイフを抜いて身構える黒スーツAを打ち飛ばす(Xホームラン)。
男性「ひいいいい!」
ほうほうの体で敬介の後ろに隠れる男性。
桟橋の先端に立つ沼田、敬介と対峙する。
敬介「もう少し下がっていなさい。」
敬介、男性を下がらせると、スティックを後ろ手に、掌底を開いて真っ直ぐ前に突き出し、構える。
沼田、サングラスを外し海に捨てる。その眼は白眼がないダークアイズ。
敬介、スティックで足下を突きハイジャンプ。上空からスティックを回し、沼田を襲う。
沼田、スティックが打ち込まれてくる方向に左掌底をかざすと、そこに炎が広がり、日輪の形を成して炎を纏った、赤い盾となる。
盾でスティックを受けとめた沼田、その盾を回し、盾の縁に付いているコロナを摸したカッターでスティックを切断する。
既にスティックを手放していた敬介の鋭い蹴りが、空中から沼田の後頭部を狙う。
敬介の蹴りがヒットする直前、沼田の頭部を瞬時に包み込んだ炎が西洋風の兜の形を成したソーラーメタル(に似た色の金属)に変わり、キックを弾き返す。
敬介、空中で反転し、着地。
沼田(以降兜着用時はアポロガイストと呼称)「あじな真似をするな神敬介、だが!」
アポロガイストの全身に炎が回り、それが固まりソーラーメタル(に似た色の金属)のアーマーに変化する。
敬介に向け右拳をかざすアポロガイスト、右上腕部のアーマーを左手で後方へスライド(盾は左上腕部に固定)させると、アーマーの下に隠れていたリボルバーが露になると同時に手首が外れて下に折れ、ジョイント部奥からアポロマグナムの銃口が迫り出す。
アポロ「貴様だってこの程度の武装は持っているのだろう?
まさか、ライドルだけと云うのでは有るまいな。」
敬介「………
後は、
…………
勇気だけだ!」
挿入歌(高木惇也の「愛の戦士」)のイントロスタート。
アポロマグナムの銃口が火を噴く。
身を翻し海に飛び込み逃れる敬介。
敬介を追って更に連射するアポロガイスト。
銃口から発射された「太陽の欠片」が海面に触れた途端水蒸気を上げる。
アポロ「逃げても無駄だ!」
桟橋の淵に立ち、なお海に向かって執拗に弾丸を撃ち込むアポロガイスト。
シーン#11 海中
闘い疲れた その後で
この手に 何が残るのか
開いた掌 夢の欠片が光っているだけ
渦巻き流れる時の岸辺
出会いと別れの橋で
good-bye soldier 地平線越える度
男達は 傷つく戦士
good-bye soldier 胸燃やす憧れが有る限り
俺は愛のケモノになろう
挿入歌「愛の戦士」(唄:高木惇也)より
底へ底へと逃れる敬介に、突如真横から襲いかかってくるネプチューン。
下を目指していたのでさかしまの体勢のまま、ネプチューンの刺又攻撃を紙一重でかわした敬介、その差又を脇に挟んで捕まえたまま、ネプチューンの脳天に膝を蹴り込む。
ゴリッと云う嫌な音と共に、ネプチューンの額から血煙が、周囲の水に滲み出す。
怯んだネプチューンの背後に密着すると、相手の半身に巻き付いていた鎖を外し、その首に巻き付け思いきり絞め上げる敬介。
ネプチューン、敬介を振り落とそうともがくが、敬介の両足がネプチューンの胴をしっかり挟み込んでいるため体が離れる事はなく、二人一体となったまま虚しく水中を泳ぎ回るばかり。
遂に力尽きたネプチューン、泳ぐのをやめ、やがて全身から力が抜ける。
深淵へと沈み行くヌプチューンを見送る敬介の前に、巨大な影が現れる。
キングダーク。
敬介に向け口から超音波砲を発射。
超音波砲の軌道に沿って生成される気泡の道を泳いでかわす敬介。
気泡が消滅した跡に激しい渦が起きる。キングダークの超音波砲が分子を破壊し、軌道上の水を気化させてしまったためだ。
キングダークが2発目の超音波砲を放ち、それをまた泳いでかわす敬介。超音波砲のヒットした石柱が砕け散る。
間髪入れず、キングダークの巨大な拳が水を押し退け敬介に迫る。
右から左から迫る拳を、ひらりひらりとかわす敬介。
だが遂に岩場に追い詰められ、開かれたキングダークの両掌が、蚊や蝿を打つ時よろしく左右から敬介を挟み込む。もう逃げ場が無い。
海面方向から降りてきたライダー2ごうがキングダークの左掌に、ハヌマーンが同じく右掌にそれぞれ組み付く。
2号はコンバーターラングからジェットを噴射し、キングダーク左掌を腕ごと押し返し始める。
ハヌマーンはキングダーク右手首関節の継ぎ目に卍サイを突っ込み、右掌を漕ぎ取ってしまう。
敬介「一文字先輩!」
2号(キングダークの左掌を必死で押さえながら)「ここは俺達に任せて、行け、敬介!」
海底の岩陰に隠したクルーザーを取りに底へと泳いで向かう敬介。
シーン#12 SG会館(外)裏の舟付場
桟橋の先端に立ち、吸っていたガンジャを海に投げ捨てる沼田。
その海面から水飛沫を上げ飛び出すクルーザー。
瞬時に炎を纏った沼田、クルーザーの前輪アタックをアポロシールドでブロック。
アポロガイストの頭上を飛び越え桟橋の根元近くでターンするクルーザー。
敬介「さっきの男はどうした!」
アポロ「クックック(右手の親指でSG会館天辺のチャペルに似た屋根をさす)。」
日輪マークの中央に磔となっている男の体、ただし血塗れの頚部の上にはその男の頭の代わりに、ティナの寺から盗んできた仏像の頭が乗せられている。
敬介「きっさまあー!」
アポロガイストめがけクルーザーのスロットル全開に特攻をかける敬介。
アポロガイスト、正面に構えたシールドからファイヤーウォールを展開。
ファイヤーウォールを抜け桟橋からジャンプしたクルーザー、海面に着水、そのまま水面上をしばらく走ってスピンターン。
ガラガラと音を立て崩れ行くSG会館。仏像の頭も男の体こと瓦礫の下へ。
アポロガイストの高笑いが辺りに響き渡る。
堤防の上を専用マシン「ファイヤーロード」で走り去るアポロガイスト。
追いかけようとスロットルを回す敬介だが、まん前の海がいきなり盛り上がり転倒。
大波を起こし出現したキングダーク、肩の後ろそして踵からジェットを噴き空高く昇って行く。
続いてハヌマーンが「飛天」のポーズで出現、キングダークを追って飛んで行く。キングダークの行く手から飛来するガルーダ、甲高い声でキングダークを威嚇する。
が、キングダークが口から放った超音波砲の一撃を翼に受け、海に堕ち行くガルーダ。
ハヌマーン「ガルーダ!」
キングダークを追うのを辞めガルーダの元へ向かうハヌマーン。
こちらも高笑いを残し、悠々と本土方向へ飛び去るキングダーク。
海から上半身を出し呆然と見送る2号と敬介。
シーン#13 太平洋上空 アメリカ→日本行き旅客機 コクピット
フロントガラスの視界を、左下方から右斜め上方へとよぎって行くコウモリフランケン強化型。
パイロットA「お、おい今の…。」
パイロットB「み、見たか、お前も。」
パイロットA「な、何だったんでしょうか一体。」
機長、目を見開き、顔面いっぱいに冷や汗。
シーン#14 客室
客席前方通路扉上の電光表示板に、シートベルト着用サインが表示されている。
ピンポーン。
機内アナウンス「アテンションプリーズ。
本日は当航空をご利用戴き有り難うございます。
当機はただいま雷雲の中を通過中ですので多少揺れますが、ご心配は要りません。
今しばらく、シートベルトの着用をお願い致します。
トーキョー、ハネダ空港までは、あと30分ほどで到着いたします。」
ピンポーン。
窓側から滝、結城、本郷の順に座っている三人。
本郷「神敬介、彼とは以前一度だけ会ったことが有るんだ、おやっさんの所でな。
俺達のように変身できる訳ではないが、彼もサイボーグ手術を受けており、主に水中での活動に特化された能力を持っている。」
結城「確か、亡くなった神敬一郎博士のご子息でしたよね。(ウェストポーチからパーフェクターを取り出し)私もデストロンの技術班に居た頃、神博士の研究論文を基に、この酸素供給装置パーフェクターを作ってみたりしました。
そもそも私のマシンに搭載されているジュピター回路を開発するに至ったきっかけと云うのも、このパーフェクターを戦闘用サイボーグに搭載するにあたってその利点を最大限に活かすにはどんな能力が有効かと云う発想に端を発しているんです。
このジュピター回路はですね、特殊な磁界スリットの働きにより磁界の渦流をコントロールすると云うもので、これを搭載したサイボーグは真空状態を生み出すほどの高速回転が可能になり、つまりサイボーグのボディ自体を整流子と化す、それがジュピター回路なんです。」
熱っぽく語る結城、感心して聞き入る本郷。理解できてない滝は一人ボケーッと窓の外を眺めている。
その窓を一瞬のぞき込むコウモリフランケン強化型。
滝「出た!」(素っ頓狂な声を上げ飛び上がる)
本郷「何だどうした滝。」
滝(窓の外を指さしながら)「こ、蝙蝠男!
い、今…窓から覗いていた!」
本郷(周囲の乗客の目を気遣いながら)「ハッハッ…何馬鹿な事を言ってるんだ!
居眠りしてて、夢でも見たんじゃないのか?
ほらよく見ろ、何もいやしな…」
主翼の上、機体の陰になっている暗がりの中でうごめく陰。
本郷「居た!
奴だ!」
他の乗客たちも異変に気付き、窓の外を指さし外国語で何やら喚いている。
乗客A「あ、あ…あれは!?」
乗客B「つ…翼…」
乗客C「悪魔だ!!」
乗客D「悪魔よ!」
コウモリフランケン、ニヤリと笑うと、主翼の表面に爪を立て、板金を剥し始める。
女性客の悲鳴。
乗客E「翼を壊してる!」
本郷「…俺達を殺しにきたんだ!!」
結城「このままじゃ落ちる!!
本郷さん、滝さん、私に考えが。」
遂に一枚目の板金を剥し、後方へ投げ捨てるコウモリフランケン。
卒倒する老婦人。
本郷「バ…馬鹿なっ!!幾らなんでも…危険すぎる。」
結城「わかってます…しかし我々のために…五百人近い人の命を巻き添えにするわけには行きません!」
滝「それにほっときゃいずれみんな死ぬ…か!!
OK,俺がパイロットと話そう。」
主翼をひっかき続けるコウモリフランケン。
稲妻、そして雷鳴。
シーン#15 後方荷物室〜油圧系統室〜主脚収納室
ライダースーツを纏い、荷物室から油圧室へ抜ける結城。
結城「後方荷物室から油圧系統室を抜けると…機内与圧を下げずに主脚収納室へ出られる…か。」
マスクをかぶる結城(以降この姿の時はライダーマンと呼称)。
シーン#16 コクピット
機長「そこからなら外へ出られるが…」
滝「いいか、五百人の命が懸かってる!
俺の言う通りにやってくれ!」
シーン#17 機外
機底のハッチが開き下りてくる主脚。
口にパーフェクターを装着し、右腕をオクトバスアームに換装したライダーマンが、主脚につかまり降りてくる。
振動する主脚から落ちまいと、必死でしがみつくライダーマン。
ライダーマン「俺の科学力は…完璧だ!」
主翼の上、気配に振り向くコウモリフランケン。
主翼の根元近く、下から這い出てくるライダーマン。
フランケン「ケーケケ!
やはり出てきたかモッデーン!
待っていたぞ!!」
主翼の上で対峙するフランケンとライダーマン。
フランケン「勇気は誉めてやる。
利口とはいえんがな。ケ…ケケケ!
なぜならここじゃお前には絶対、勝ち目はないからだ!!
落ちればお前は必ず死ぬ!!
このものすごい風に吹き飛ばされまいとしたら、翼にしがみついていなけりゃならん。」
かまわずフランケンにタックルを仕掛けるライダーマン。フランケンそれを一足後ろへ飛びすさってかわす。
あわててオクトバスアームを主翼表面に吸着するライダーマン。
フランケン「そうなるとお前の武器である手足が使えん!!
だかそこへいくと、俺には、翼が有る!!」
フランケン、ライダーマンの頭越しにジャンプして背後から連続蹴りを二発。
ライダーマン、振り向きざまとどめの前蹴りを受け主翼前側の縁から転落。
フランケン「ケ…なんだ、もう…おちてしまったのかよ!」
その時フランケンの背後、主翼後側の縁から、昆虫タイプの羽根とイオンバーニアの付いたブーストアーム(オリジナル新装備)に換装したライダーマンが、機体のどこかからもぎとった避雷針を左手に持ち浮上、フランケンの背中から胸を避雷針で貫くと羽根を震わせ大きく旋回、前に回る。
フランケン「ひ…避雷針!?」
機体周囲の雷雲の間にアークが走り、フランケンに落雷。
全身黒焦げとなり、煙を燻らせながらニヤリと笑うフランケン。
ライダーマン、バーニアに点火し、その推進力を利用したライダーキックをフランケンに放つ。
キックを受け主翼後方の縁から落ちるフランケン、それでも必死に翼を動かし、主翼下の噴射口にとりすがる。
シーン#18 コクピット
滝「…今だ!!
やれ!!」
噴射スイッチを入れる機長。
シーン#19 機外
ノズルからの噴射に飛ばされ、遥か後方で爆発するフランケン。
主翼の上にたたずむライダーマン、既に雷雲からは抜け出し、真下には青い大海原がくっきり見えている。
シーン#20 客室
安堵の声を上げる乗客たち。
乗客F「で、でももう一匹の…あの、腕に羽根を生やした悪魔は…どこへ?」
滝(シートに深々と身を沈め、誰にと言うでもなくつぶやくように)「バッキャロ。あれは…
天使だったんだよ!!」
シーン#21 西表島の原生林
翼に包帯を巻かれたたずむガルーダ。その横で、やっと戻った仏像の頭部を抱えたたずむティナ。
木々の隙間から見える広場で、スパーリングに興じる敬介とコチャン。
コチャン、火のついた松明を振り回し敬介を攻撃する。ただブロックしたのでは火傷は必至、巧みなダッキング、スウェーバックでひたすらかわし続ける敬介。
その様子を腕組みして見守る一文字。
火を放った薪藁に蹴りを入れる敬介。
コチャン、その向かいに立ち敬介が一発蹴る度、ややオーバー気味のゼスチャーでダメ出しする。
最初はズバン!ズバン!と一撃ごとに気合いを込めていた蹴りが、やがてパンパン!パンパン!と、スピード重視の連続蹴りに変わって行く。
遂には二発の連続蹴りで、松明の火が消えるまでに上達する。
テントの近くで火を起こし、飯盒で湯を沸かす一文字。
倒壊した大木の幹に並んで腰掛け、コチャンの煎れたチャーイを飲む三人。
シーン#22 砂浜
柔道着姿で対峙する敬介と一文字。
一文字「あの沼田と云う男が戦闘時にとる姿はアポロガイストと呼ばれ、謂わば炎の超人体だ。
従って、水は最も嫌うところであろうから、お前の得意な水中戦に持ち込ませるのはまず無理だろう。」
敬介「………。」
一文字「だが、水中以外にもう一つ、パーフェクターを持つお前が圧倒的に有利になる状況が存在する。
解るよな?」
敬介「それは…空気の無い真空の状態だ。
俺はパーフェクターがあるから平気だが、相手は息ができないし…アポロの炎も消える。
でも先輩、一体どうやってその状況を?」
一文字「それを今から教えてやる、来いっ!」
一文字、開いた両手を頭上に振り上げ上段に構える。
開足中段に構えた敬介、摺り足で間合いを詰めると一文字に組み付く。
敬介「つぁーっ!」
内股に行く敬介。それをかわして一文字の大外刈り一閃。
受け身をとって即座に立とうとする敬介。
一文字「まだまだぁ!」
間髪入れず肩取りに来ようとする一文字の腕を反対に掴み、サンボ風のぶら下がり気味一本背負いで投げ帰す敬介。
敬介「どっせーい!」
一文字、空中で体をひねって両足で着地。この機をのがさじと敬介、突進。
一文字、頭部を敬介の鳩尾に充てがい、両手両足で猿のように組み付くと地獄車をかける。
苦痛と恐怖に顔を歪め悲鳴を上げる敬介。
暗転。
木陰で目を覚ました敬介。傍らには一文字とコチャン。
敬介(身を起こしながら)「一文字先輩、あの技は…」
一文字「地獄車と云ってな、俺が高校で柔道をやっていた頃の必殺技だった。」
バイク3台の爆音が近づいてくる。
砂浜を並走してくる本郷のサイクロン、滝のスカルチェイサー、結城のジュピター。
木陰の前で停車した結城、ジュピターを降りると荷台から畳まれたXのライダースーツとヘルメットを取り出し敬介に差し出す。
結城「君のライダースーツとヘルメットだ。
私の…このマシンにも付いているジュピター回路、それを更に軽量化したマーキュリー回路と超高密度コイルを組み込んである。」
シーン#23 朱礼門の石段
ライダースーツを着用し、石段の頂上に畳大のマットレスを抱えて立つ敬介。
マットを抱えたまま前方転回の態勢で飛び降りる。
石段を、うまくマットで身を包みながら転がり落ちる訓練を、時折失敗しながら何度も繰り返す敬介。
失敗し満身創痍のまま、それでもマットを抱え石段を登る敬介。
シーン#24 山中
丸太の上に立ち激流を下る敬介。
滝にさしかかると丸太からジャンプ。
空中で木の蔓をつかみ、ターザンのように滑空。そのまま崖の則面を利用し三角飛び。
その様子を陰から見守る一文字。
一文字「そうだ敬介!アポロガイストが如何に強敵であろうとも、奴の技にこの大自然の荒々しさにかなうものが有ろうか?いや、有るまい。」
シーン#25 富士裾野 ショッカー大要塞跡
仁王立ちのキングダーク。その右肩に立つ沼田。
周囲で膝まづき、キングダーク足下の聖火台に向かい祈りを捧げる信者達。
スクランブルがかかり飛んでくる自衛隊機の一個小隊を、超音波砲で次々に撃墜して行くキングダーク。
沼田の高笑い。
キングダークの足元から生まれ出る牛頭や猪頭、犀頭の怪人達。聖火台に歩み寄ると、次々に下に積まれた薪を取り、聖火台の火を移す。
沼田「さあ行け!この国をいったん焼き付くし、焼け跡に太陽の帝国を建立するのだ!」
松明を手に、町を目指し散って行く怪人達。集団トランス状態となった一般信者たちも次々に薪を取り、火を付け、ぞろぞろと怪人の後に続いて行く。
シーン#26 街道
ライダースーツにヘルメットを被りパーフェクターを装着した敬介(以降この姿をXと呼称)、クルーザーを駆り爆走。
右の脇道から、ライダーマンのジュピター合流、二台並んで走る。
左の脇道から、1号のサイクロン合流、三台並んで走る。
カーブにさしかかる途中、右の脇道から、滝のスカルチェイサー合流。
四台並んでカーブを抜けた所、2号の改造サイクロンが左側(画面右端)からin。
並んで走る五台の頭上を大きな影がよぎる。
背中にハヌマーンを乗せたガルーダ、大きく旋回すると五台のバイクの真上に付き並走飛行に移る。
五台と一羽の行く手にアイドリング音高く待ち受ける一台のバイク。
ハリケーンにまたがったV3である。
ハリケーンの先導で富士目指し隊列を組んで走るクルーザー、ジュピター、サイクロン、スカルチェイサー、改造サイクロン、そしてガルーダ。
シーン#27 燃え盛る市街地
水利周辺でごった返す消防車、せわしく駆け回る消防士達。
消防士A、ホースの端を踏んでカプラを上に向かせ、そこに筒先を接続する。
消防士A「ヨシ(指さし呼称)!」
その傍らに急停車する2号の改造サイクロン。
2号「おい!その筒先を貸してくれ。」
消防士A(呆気にとられ)「仮面ライダー、ほ…本物なのか?」
2号(ホースに接続されたままの筒先を消防士から受け取り背に担ぎながら)「滝!」
滝「ほいきた。」
スカルチェイサーを降りた滝、消防車のサクシュンホースを水利から抜くと適度に丸めて車体側面のホルダーに固定し、運転席に乗り込んだ。
2号「人々が助けを求める時、俺達は必ず現れる。」
スロットルを開け、改造サイクロンを発進させる2号。
するすると引っ張られるホースを妨げぬよう飛び退く消防士。
滝「退いた退いたあ!」
滝も消防車を発進させ、ホースが切れないよう一定の距離を保ちながら改造サイクロンに追随して行く。
消防士A「爆音と共に現れ、無償で戦う仮面の戦士…あれが…」
シーン#28 繁華街
燃える町の上を「飛天」のポーズで飛ぶハヌマーン、空中で「水煙」のポーズに体位を変えると、合掌した手から水流を発射、火を消して行く。
ハヌマーンの水流で松明の火が消えた暴徒達を、ライダーマンがネットアームで絡め取る。
路地から大通りへなだれ込もうとしている別の暴徒らを、必死で押しとどめる1号。
1号「敬介!この人たちはマインドコントロールされているだけだ!!
なるべくけがをさせるな!」
Xも別の暴徒達の侵攻を、ライドルスティックで必死に遮っている。
X「わかっています!でも、こんな数では!」
その時、到着した2号の構える筒先から激流がほとばしり、松明の火を消し暴徒らを押し戻して行った。
2号「煽動してる奴が居る!そら!」
2号、暴徒らの後ろで煽っていた犀怪人にホースの激流を打っかける。たまらず逃げ出す犀怪人
シーン#29 公園
ごみ箱をけちらしながら公衆便所の陰に隠れる犀怪人。
突然の爆音に振り向くと、ハリケーンにまたがったV3が、スロットルを噴かしながら今にも突進せんと狙っている。
ごみ箱、灰皿スタンド、トラッシュペール、はては自動販売機と、手当たり次第に倒し並木の間にまろび消える犀怪人。
自動販売機を踏み越え並木の間もくぐり抜け追ってくるハリケーン。
噴水の脇を走り抜け、階段を駆け登り、車止めを抜け遊歩道へ逃れる犀怪人。
階段などものともせず登りきり、車止めさえ飛び越え追ってくるハリケーン。
角を曲がり態勢を整え待ちかまえる犀怪人。
ハリケーン、角で巧みにスピンを決めるとウィリー走行で突進。
ハリケーンの車体の下に突っ込み角で突き上げる犀怪人。
高々と上がるハリケーンの車体。
勝利を確信した犀怪人の脳天に、V3の直下型スクリューキックがヒット。
スクリューの反動を空中で体をひねって逃がし着地したV3の背後で犀怪人、爆発。
シーン#30 繁華街
1号とX、空中で交錯しながら前方転回。
1号のライダーキックが牛怪人にヒット。
Xキックが猪怪人にヒット。
牛怪人、爆発。
猪怪人、爆発、その爆焔の向こうからアポロガイスト登場。
アポロ「次は私が相手だ。」
望むところ、と言わんばかりに突進するX。
ハヌマーン(上空から)「ケイスケ、イケー!」
アポロガイスト、Xの回し蹴りをアポロシールドでブロックするが、コチャン仕込のスピードに、シールドは炎を失い真っ二つに割れる。
アポロ「猪口ざいな!」
アポロ、右手から炎の剣を出し斬り掛かる。
X、後方へくるくる回転しながら一気に距離をとる。
アポロ「ならば!」
アポロ、右手から炎の剣を引っ込め、代わりにアポロマグナムを出し、Xを狙い乱射。
高速で前転しながらマグナムをかわすX。
Xを見失ったアポロ、うろたえる。
家屋の屋根の上に現れたX、ライドロープでアポロの右腕のリボルバー部分を絡めとる。
X「そこが回転しなければマグナムも撃てまい。」
アポロ「ウ、くそっ!」
アポロ、右手をもがくがライドロープが振り解けないことが解ると、左手から炎の剣を出しそれで自らの右腕を斬り落とす。すると腕の斬り口から炎が噴き出し、その炎が右手の形を成す。
X「なんて奴だ。だが!
とう!」
家屋から飛び降りたX、アポロの突進に備え身構える。
炎の腕でXを捉えようと突っ込んでくるアポロ。
2号「来た!」
X、間合いを計りアポロの懐に飛び込む。
Xの頭部がアポロの鳩尾に当たっている。
Xのヘルメット額の「Vシグナル」赤く輝く。
X、両腕をアポロの脇の下から背中へ回し両肩をホールド。更に両足をアポロの両膝にフック。
Xのライダースーツ胸のVVX字型コンバーターラングが白熱。
X「真空、地獄車ぁ!」
Xとアポロ、もつれ合ったまま高速で回転しつつ空中高く舞い上がる。アポロの炎が消し飛び周囲に旋風が巻き起こる。
アポロ「アアアアアアアアア!」
アポロ、炎が消えた状態で兜が割れ沼田の顔に戻る。真空状態で息ができないため口をぱくぱくさせ眼窩が窪み目玉が飛び出してくる。
地獄車、まだ燃えている家屋の屋根を突き破り落下。家屋は瞬時に鎮火するがそのまま倒壊。
その周囲を取り囲み固唾を呑んで見守る四人ライダーと滝、ハヌマーン。
壊れた木材を跳ね退け瓦礫の中から立ち上がるX。
小躍りするハヌマーン。
Xに駆け寄り肩を叩く2号。
うんうんとうなずく滝。他のライダー達もXの周囲に集まってくる。
勝利の喜びも束の間、低空飛行にて姿を現したキングダーク、口から毒霧を吐く。
X「いかん、毒ガスだ!」
ライダーマン(パーフェクターを装着しながら)「滝さん!風見!先輩達も逃げろ!」
毒霧漂う中、ライダーマンが叫び終わらぬうちに喉元を押さえ倒れる滝、1号、2号、V3。
大丈夫なのはハヌマーンと、パーフェクターを着けているライダーマン、X、この三人だけである。
ライダーマン「くそっ!」
右腕をブーストアームに換装し飛び上がるライダーマン、「飛天」のポーズで追随するハヌマーン。
ライダーマン、キングダークの顎にブースターキックを見舞うがびくともしない。
ハヌマーン、キングダークの兜を卍サイでうがつも、まったく刃が立たず。
キングダーク、高笑い。
地上で地短打を踏むX。
X「くそっ!俺も空を飛ぶことさえできれば。」
その時、Xの前に降り立ったガルーダ、Xをじっと見つめる。
X「乗れと言うのか、ガルーダ。」
ガルーダ、うなずく。
X、うなずいてガルーダの背に飛び乗る。
ガルーダ、両の翼を大きく広げる。
シーン#31 空中戦
Xを背に乗せ飛び上がったガルーダ。
バックに「セラーップ!モッデーン・イクス」(タイ語版主題歌)流れる。
口から超音波砲を発射するキングダーク。
旋回しながら巧みにかわすガルーダ。
ハヌマーン「ユーキ!」
キングダークの左角に取り付いていたライダーマン、ハヌマーンに呼ばれ、右角に取り付いているハヌマーンの方を見ると、ハヌマーン、角に耳を当てる仕種をしてみせる。
ライダーマン「??」不審に思い自分も角に耳を当てる。
キングダーク、再び超音波砲を発射。
角の内部から高い振動音。
ライダーマン「この音は…そうか!」
ライダーマン、右腕を強化型ドリルアーム「モートルクラッシャー」に換装。左角を粉砕する。
剥き出しとなり半開した内部メカ、シリンダーが空往復するが破片を噛み動かなくなる。
右角の根元に卍サイを刺したハヌマーン、角を回し蹴りでへし折る。
三たび口を開いたキングダーク、だが超音波砲はもう出ない。
ライダーマン「今だ、敬介!」
X「とう!」
ガルーダの背からジャンプするX。
マーキュリー回路再び作動、Vシグナルが輝き、コンバーターラングが白熱する。
ライダーマンとハヌマーン、キングダークの頭部から離脱。
Xのスクリューキック、キングダークの口から飛び込み背中まで貫通。
ボディのあちこちで小爆発を起こしながら、富士の火口に落ちて行くキングダーク。
ロングショットで富士山、火口で微かに判る程度の爆発。その手前をガルーダ&X、ライダーマン、ハヌマーンが横切って行く。
シーン#32 病室
ベッドで目覚める滝。傍らに本郷、丸椅子に座っている。
本郷「よお。」
滝「おう…何だもうおわっちまったのかよ。」
本郷「ははは、まあな。」
滝、渋い顔。
シーン#33 空港
布に包んだ仏像の頭を抱え、バンコク行き便のタラップを登るティナ、一文字、風見。扉の前で振り返り手を振るティナ。一拍遅れて一文字、風見も振り向き、手を振る。
見送り場で手を振り返す敬介とレイ。結城、立花も手を振り返す。
立花(結城に)「おい、コチャンはどうしたんだ?」
結城(肩をすくめ)「さあ…」
敬介「コチャンも帰って行きますよ、ほら。(彼方を指差す)」
飛び立って行く飛行機の更に向こうに、同じ方角へ飛んで行くガルーダが見える。
エンディング
エンディングテーマ(案)「Forget memories」(作詞:八手三郎、作曲:菊池俊輔、唄:串田アキラ)
灼熱の 灼熱の 血のたぎりオオオオオ赤い砂
ルルルルル ルルルルル 太陽 むせぶ鼓動 白い記憶
燃え上がる 怒りの炎は 青い涙を 焼き尽くし
復讐色の悲しみがただ一つ
Forget Forget Forget Forget memories
灼熱の 灼熱の おたけびオオオオオ明日こそ
かけ登る 大空に ライラララライ ライラララライ
ララララライライ
激流の 激流の 血の飛沫オオオオオ赤い渦
ルルルルル ルルルルル 雷鳴 むせぶ鼓動 黒い憎しみ
燃え上がる 怒りの炎は 見果てぬ夢を 焼き尽くし
復讐色の悲しみがただ一つ
Forget Forget Forget Forget memories
激流の 激流の おたけびオオオオオ明日こそ
突き上げる 大空に ライラララライ ライラララライ
ララララライライ
