Q&Aコーナー




 今まで受けた質問や疑問にお答えしたQ&Aコーナー、新設しました。
 家を建てる上で工法、ハウスメーカーの選定、設備の設置は重要なポイントです。ここでは私なりの意見を紹介したいと思います。
 くどいようですが、個人的な考えであってこれが全てではないと思いますので参考程度に見てください。
 随時更新して行きます。
 
  (内容の一部は他のページと重複することがあります。 )







  高気密・高断熱住宅について
  ハウスメーカーの選定
 設計時のポイント
住宅展示場の見方








高気密・高断熱住宅について


 
〇 高気密・高断熱住宅とは
 読んで字の如く従来の住宅より気密・断熱性能を高めた住宅です。地域、ハウスメーカーによって定義はいろいろありますが、個人的には気密係数1.5m3/cm2以下、断熱係数 1.5kcalhm2程度の住宅だと思っています。住んでいる地域によって定められた値がありますし、寒冷地と温暖地では要求する値が違うので詳しくはここを参照してください
〇 気密係数とは
 壁に空いている穴(隙間)の大きさを示す値で1m2当たり何cm2かで示します。私が話をした多くのハウスメーカーではこの値のみを示して「うちは高気密・高断熱住区です。」と言っていました。
測定には専門の測定器を使用しますが、そのときは計画換気口のみ目張りし、それ以外は通常の状態で測定するのが一般的なようです。
〇 断熱係数とは
最近一部の大手メーカーでは広告に記載していますが、一般的にはまだまだ知られていません。単位容積当たり1時間に何カロリーの熱が逃げていくかを示す値で1時間で1m3の空間から逃げていく熱量(カロリー)で示します。(K値とかQ値と言われている。)
〇 高気密と高断熱は違うの?
 違います。高気密とは家の隙間を少なくすることを指します。簡単にいえばゴム風船です。
 高断熱は魔法瓶(古い!)のように外部に熱を伝えない状態です。
 風船(高気密)は空気は逃がしませんが、熱は逃げます。魔法瓶(高断熱)は空気は逃げますが、熱は逃げません。
 総合して考えると高気密・高断熱とはクーラーボックスのような状態を指します。しかし、クーラーボックスの中にずっといては息苦しくなってしまいます。したがって高気密・高断熱住宅には計画換気が必要になってきます。

〇 高気密・高断熱住宅は本当に経済的?
 建設コストとランニングコストを比較してみる必要があります。
 仮に全館冷暖房をした場合の維持費の差と建設コスト、耐用年数から考えるといいでしょう。

          式 建築コスト増分<(燃料費×耐用年数)

 上記関係が成り立つのであれば高気密・高断熱住宅をおすすめします。

 例 : 建築コスト増分 坪単価5万円×45坪=225万円
     実際には建築時の借り入れ利息がありますので340万円程度になると考えられます。

          燃料費増分 10万円×25年=250万円
          物価上昇、賃金スライド分を相殺して考えます。

上記ケースでは普通の住宅にした方が経済的です。

  また、副効果として高気密・高断熱住宅がもたらす壁内結露の減少、室内温度差の有無が及ぼす効果で耐用年数と生活環境の向上が期待できます。また、高性能住宅は省エネルギー効果が高いので地球環境にやさしく快適な生活を送ることができることも見逃せません。
 もっといえば既設住宅並の金額で満足できる性能の住宅を建てることの出来るハウスメーカーを選択する必要があるということです。


〇 窓に結露のない家は本当にいいの。
 結露は冷えたコップの表面の水滴と同じで温度差と湿気(湿度)によって現れます。冬場は空気中の水分が少なくなるので水蒸気を発生しない暖房器具を使用すれば発生は少なくなります。
 最近はペアガラスが多く採用されていますので灯油やガス等燃焼時に水分発生する熱源を使用しなければガラスが結露することは少ないのです。問題はサッシ部分に発生する結露や壁の内部に発生する結露であり、
 これらは家の寿命を縮めるばかりか住む人の健康を害することもあります。
 そういった意味では完全な気密と使用部材のバランスのとれた断熱が重要になります。
〇 窓を開けてはいけないのでしょうか。
 春や秋等天気のいい時は窓を開けた方が気持ちいいでしょう。普通の住宅との違いは意識しなくて結構です。
〇 部屋の中に匂いがこもらないの。
計画換気は新鮮な空気をリビング等へ、トイレやキッチン、浴室等汚れた空気を屋外へ排出しますので一般の住宅と同様、若しくはそれ以上に匂いのこもる心配はありません。
 計画換気量は一般的に2時間で1回程度室内の空気が全部入れ替わるほどの量で設計しているようです。
〇 在来工法では高気密・高断熱住宅は建てられないの
 2×4等パネル工法は確かに優位ですが、在来工法でも十分な性能を得ることが出来ます。
〇 特別な設備か必要なのでは。
 同時吸排気型換気扇、計画換気システム等、一般の住宅にはない設備が必要ですが、ハウスメーカーが考えて設置していますので施主として特に気にすることはありません。これら設備のない家を高気密住宅として建築しているのであればハウスメーカーの技術を疑ってみる必要があると思います。









ハウスメーカーの選定



 ハウスメーカーの選択は重要な判断です。
 ここでも私なりの意見を述べたいと思います。
〇 どんなメーカーと契約すればいいの
 自分の考え方と同じ、または似通ったメーカーと契約することが一番だと思います。展示場の雰囲気や営業マンの人柄等で決めてしまうのは後悔することになるかも知れません。
〇 いろいろな工法があるがどれがいいの。
 メーカー各社でいろいろ検討されており、現段階ではどの工法がベストとは言いがたいと思います。ただ、上記コストに加え、設備メンテナンスコスト、騒音、地球環境を考える等、私たち施主の考えで選択するのが現状です。ただ、もっとも重要なことは設計通りに施工されているかがポイントです。
 家は工業製品ではないので現場の大工さんの技術、認識により良くも悪くもなり、最悪の場合逆効果となることが考えられます。後で述べますが、そのハウスメーカーで建てられた方の意見・感想やランニングコスト等の聞き取りが大切ではないでしょうか。
〇 たくさんのメーカーと話をしたら断るのが大変では。
 私も多くの住宅展示場見学やセミナー等に参加しましたのでいろいろなメーカーが訪問してきました。お願い一辺倒の方や言うことがコロコロ変わる方、住宅背の鵜について返答出来ない方等いろいろでした。
 家は大きな買い物です。いろいろなメーカーと話をして納得して契約するべきだと考えています。自分の理想(こだわり)を率直に伝え、実現できるのであれば交渉しますといった態度で対応することが大切だと思います。
 私の場合は住宅性能がこだわりだったので「この性能でこの単価(値段)以下で出来るのであればきてください。」と言ったところほとんどが来られなくなりました。
〇 いいハウスメーカーを選ぶポイントは
 大きく分けて次のようなものがあるとおもいます。

 営業マンとの話し合い段階
  ・ 建築工法(在来、2×4、パッシブソーラー等)
  ・ 基本姿勢(メーカーのポリシーと自分の考えが同じか)

 現場見学
  ・ 施工現場(現場監督・作業員の認識や技術、後片付けの状態等)

 他の施主との話し合い
  ・ 実際にそのハウスメーカーで建てた人の話を聞くことでメーカーのいい面、悪い面が聞け、非常に参考になります。 
 理想的には最近建てた人と数年前に建てた人の両方の意見を複数聞いた方がいいと思います。
 (知人で新築後3カ月、2年後に雨漏りし、その際の対応が腹立たしかったという話もありました。)
〇 住んでいる人との話のポイントは
 私なりの体験では次の事項が挙げられます。
 各段階で施主と営業マン、営業マンと現場監督等の意思が疎通していたか。
仕上がり具合が発注時に想定していた状態で施工されていたか。
 アフターサービス、クレームの発生とそのときの対応はよかったか。
 台風や大雨等の悪天候時におけるすきま風の有無や騒音、ビビリやガタつきの有無、室温のばらつきなどの住み心地を聞いてみる。家の真価はこのような悪条件下で発揮されます。
 電気、ガス、灯油、水道代等のランニングコストはいくらぐらいかかっているか
〇 実際に住まわれている家の見学のポイントは
 これも私なりの考え方です。

 ・ 床のシミつき状態
 (特に洗面やキッチン等水のかかりやすい場所)

 ・ 床面の凸凹

 ・ 壁の仕上がり
 (壁紙のつなぎ目、凸凹)

 ・ ドア等の開閉状態
 (キシミ音、勝手に開閉しないか)

 ・ ネジ等の取り付け状態
 (まっすぐ入っているか。ない場所がないか)







設計時のポイント



〇 参考となるものは
 住宅雑誌や知人の家、展示場等参考になるものはたくさんあります。以下、項目別に述べたいと思います。より具体的になった時点で最近市販している3Dソフトを使用することでより具体的に問題点を把握することが可能になるのではないでしょうか。


 住宅雑誌

 ・ 特集記事、施工事例等がありますので気に入った部分はスクラップしておき設計時に活用できます。

知人の家
 ・ みなさんそれぞれ工夫していますのでいいところは積極的に取り入れたいものです。

 いずれのケースもメモや写真で残しておくと設計時に非常に参考になります。

〇バリアフリー
 ・ コンセント、照明SWの高さは、車椅子等でも無理なくとどく高さ、場所とする。
 ・ 段差、階段の幅は広めがいい。
 ・ 車椅子でも使用しやすい洗面、トイレの幅、向きにする。
〇 間取り
 ・ 起床から就寝、家事等の生活動線を列記し無駄がないかを図面に線を引いて検証してみる
 ・ 来客時に生活臭さを見せない工夫、動線の確保。
〇 窓の配置
 ・ 周囲の状況、よく吹く方向に窓を配置することで風の通り道を確保する。
 ・ 将来仕切った時に暗くならないか、洗面や廊下等の採光は十分か。
 ・ 西日の差し込み等窓の方角はいいか。
 ・ 軒先やいろんな工夫でで夏の日差しが入り込まないように出来るか。
〇 電気配線設備
 コンセントが家具の影にかくれてしまわないか、電気器具とコンセントの間を通過することはないか、屋外コンセントの場所は使いいいか。
 照明SWは生活動線上にあるか、
 電話線の場所、特にインターネット等高度情報化対応は現在していなくても日常生活に入り込むことは必須です。特にケーブルTVでインターネット出来るようになってきますので同軸ケーブルの布設は要注意です。
 TVアンテナの設置場所、引き込み方法、BS・CS・ケーブルTV等の対応を考えているか
 照明の位置は非常に難しい問題ですが、部屋全体が明るいか、器具の性能、雰囲気が活かせるか、枕元真上にまぶしい照明がこないか確認しておく。複数の照明メーカーでプランニングしてもらいいいところのみを採用したいものです。
〇 その他設備
 ・ エアコン等をつける時に家具等でふさがれないか、屋外機の設置場所はあるか
 ・ 給湯器と使用場所が離れていないか
 (使い始めになかなかお湯が出てこないので水道代と熱費が無駄になります)
〇 立体的検討
・ 家具等を設置した場合隠れたり使いづらくないか。
・ キッチンや洗面台の高さは使いやすいか。相談すれば高さなんてどうにでもなります。

 
 
予算処置
 
 
 

〇 予算がオーバーしたのですが。
 部屋の広さや間取り等今しか出来ないことにお金を使うことです。
 営業マンとの信頼関係がしっかりと出来ていれば相談することで在庫や格安品の紹介があるかもしれません。
〇 秘策は
 あくまで私の場合です。

 ・ 照明はローゼットまで施工してもらい器具はホームセンターで購入
 ・ ポーチ等外周りは後で実施

 要は後で出来ることは後廻しにすることとDIYで頑張ることです。
〇 その他では
外壁(サイディング)は消耗品です。10年後に希望の物にしてみてはいかがですか。
(私もメンテナンス不要の「焼き物」にしたかったが、あきらめました。)
壁紙のランクを下げるのも手です。
(これも消耗品。張り替えや塗り直しも出来ます。)


お勧めの設備機器

〇 IHクッキングヒーター
 台所の汚れがほとんどありません。火災の心配もないのでイチ押し。
〇 電気温水器
 火災の心配がないのと、灯油等燃料切れの心配がない。音もないので住宅地域にはお勧め。
 断水の時は勝手に水タンクに変身していますので安心です。
〇 食器洗浄機
 時間、水道代、熱費の削減につながることを身を持って感じました。設置場所が許されるのであれば60cmタイプを使用しやすい高さまで持ち上げて設置することをお勧めします。(ハウスメーカーの抵抗覚悟ですが)
〇 ウォールウェィコンセント
 必要な場所に自由にコンセント、電話線や同軸ケーブルが設置でき、非常に便利。高ささえ我慢できればケーシング(壁についている幅木)に設置することで利便性向上間違いなし。
〇 MDF配線
 事務所等の電話配線に使用している通信線の分配システム。必要な場所に必要な情報を集中配線箱内の結線だけで変更出来るので高度情報化時代では非常に便利です。一般のハウスメーカーではその存在さえ知られていません。
 また、最近はケーブルテレビ会社と契約すればインターネットの常時接続サービスを利用することができます。この接続には同軸ケーブル(5D−FB)が必要になってきますのでこの辺も考慮した内線にすることをお勧めします。
〇 蛍光灯なのに電球の格好をしているやつ
 裸電球と形のよく似た蛍光灯があります。電球の雰囲気を壊さず電気代の節約と長寿命化が期待できます。
 (少し長いのと水銀灯のようにつけてからしばらくは暗いのが玉にキズですが)
 蛍光灯でも電球色がありますので自然指向(ウッディ?)住宅にはお勧めかも。


以上、独断と偏見に満ちあふれた内容です。
表現しきれない事項もありますのでご意見やお問い合わせはメールでお願いします。







住宅展示場の見方




展示場は我々施主にとって一品物の住宅を体感できるいい場所です。次にその見方について提案したいと思います。




1.天候の悪い時に行こう。
 家の真価は天候の悪い時に発揮されると思います。
 台風や大雨、真冬や真夏に見学に行き、すきま風の有無、遮音効果、快適さや裸足で歩いて床の冷たさ等を確認してはいかがでしょう。また、車庫への通路、外壁への雨のかかり具合等の確認も出来ます。


2.あくまで参考事例として見よう
 展示場は実際の使用部材よりいいものを使っていることがありますので注意が必要です。

3.室内環境は快適か
 玄関を開けた時の目のチカチカや匂い、室内の温度差等もチェックしてはいかがでしょう。

4.雰囲気でメーカーを決めない。
 内装や雰囲気、間取りは注文すればどこのメーカーでも実現できます。展示場の雰囲気だけでハウスメーカーを決めない方がいいと思います。
 本質(見えない部分)にこそメーカーの技術が詰まっています。ただ、特殊な施工では得手不得手があると思いますので、詳細設計時に確認しておけばいいと思います。

5.メジャ−を持って行こう
 階段ステップの奥行き、廊下の幅、洗面・キッチンの高さ等使用してみて快適に感じた部分は採寸し、メモしておきましょう。きっと役に立ちます。

6.設備機器メーカーの展示場にも行こう
 キッチンや電気メーカーも展示場を持っています。ここでは最新の設備機器に出会ったり変更、オーダーの是非等専門的な問い合わせに答えてくれます。また、プランニングもしてもらえたりおいしいこともあります。
 中には現品処分のおいしい話があるかもしれません。(実際にありました。)