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                                           第7回 実際に使った音響ソフトの感想

   私がBLOWのために集めた効果音素材やソフトの感想です。
   あくまでも主観的なものなので参考になるかどうかはわかりませんし
   ガンアクションに使用する前提としてのコメントです。(それ以前のものもありますが)
 

   ヤマハ らくらく作曲名人2(BGM)
雰囲気やイメージを元にフルオートで作曲してくれるメロポン機能というのがついていますが

音源がMIDIなので全く使えず。(イメージにも合いませんでした。)早々に売却。
 DTMに興味がある方にはいいと思いますが...あくまでも音楽制作に興味のある方向きです。

   ◎ディーディーエヌ 音楽工房VOL.1(BGM、ジングルなど)
    各ジャンルごとにかなりのバリエーションがあります。もちろんループもOKです。
    ネット上で全曲試聴できるのもうれしい限りです。押えておいて損はないと思います。
 

   まじかるふぇいす スージー広野のマルチメディア・ミュージック101 VOL.2バラエティー編
イメージやキーワードに応じて曲が選択できる便利機能が付いていますが
 はっきり言って音に厚みがなく単なるホームビデオや学芸会のBGMという感じです。
 1回聞いて脱力。捨てるに捨てられず埃をかぶっています。
 

   ◎データクラフト 音・辞典VOL.5 RPG&ホラー/ゲーム効果音(BGM、効果音)
       多分にゲーム用という感じはありますがそれほど音的に悪くもなくBGMは混沌としたシーンには使えると思います。
       ただ「内臓を抉り出す」とか「
喉をかき切る」などという具体的なSEが多々あり夜中に聞いていると鬱になります。(笑)
       ナイフ系、弾着系のSEに加工すれば使えそうです。「辞典」系にハズレなし。
 

    効果音大全集14 乗用車/サイレン/船舶
 パトカーの通過音が欲しいだけに買いました。サイレンは新旧共に入っています。
 衝突音やスポーツカーのエンジン音はありがちな音ですが狙って70年代の雰囲気にするにはいいと思います。
 船舶は港や海のシーンで使えると思います。
 

    MIXMAN STUDIO
  ターンテーブルのような操作画面にそれぞれのフレーズやアレンジを乗せてキーボードを叩いていくだけで
  グルーヴやDJ調の音楽が出来るという操作性の良いものです。
  しかしながらWIN95,98にしか対応しておらず作ってみたもののイメージに合わず売却。出力はWAV。
 

     ◎ウイネット MUSIC WIZARD
        電話の音や機械音などの効果音、ジングル、ショートミュージックなど多岐に渡って収録されています。
        PCの作動音等用につくられているようでボイスメッセージ風のものも入っています。
        各々16bit,32bitで入っており親切設計です。WAVファイル形式。
        私のイメージに合うものが多かった為か重宝し多用致しました。もちろん著作権フリーです。
        今でもメーカ−は存在しますが(今は教育ソフト中心?)既に入手不可能なようです。
         オークションでまれに出てきます。
 

         あとはネットで探せば海外のサイトでフリー素材を扱っているところがあります。
         主なBGMはとある海外サイトからいただきました。ストリングスも重厚で「カルミラ・ブラーナ」のようなコーラス風のものもあり
         イメージにぴったりでした。御興味のある方は直メールでもいただければURLを御案内いたします。

   

第6回 自主映に使うBGMについての考察

自主映でのBGM,これは非常に頭を悩ませるところです。
本来であれば音楽も自主製作出来れば最高なのですが私自身作曲能力も無く、
知り合いにバンド関係者やDTMに精通した人もいませんでした。
しかしガンコン出品の兼ね合いもあり絶対に商業映画(またはTV)の音楽は使うまいと決めていました。 
「自主製作なんだから固いことを言わずに楽しく作ろうよ」と言われそうですが高校、大学と
見た作品の中にも「どこかで聞いたことがある(または○○で使ってた)」 と思った曲の多かったこと。
 
極端な例ですが例えばどんなに迫力のある功夫映画を作ってもラロ・シフリンのあのテーマを入れてしまえば
観客の頭の中では主人公は怪鳥音を発し悪役は鏡の間で鉄の爪を着け、
どんなにスリリングなスパイ映画を作ってもモンティ・ノーマン作曲のあのテーマを流すだけで
たちどころに主人公はタキシード姿でアストンマーチンに乗ってしまいます。
 
それだけ商業映画の音楽はそのメジャー性故イメージが固着しがちで自主映の画を喰ってしまう可能性があるということです。
(テーマ曲だけに限りません。観客としてみた場合上記のように思ったら〔または気づいてしまったら〕
個人的にはちょっとキッツイです)
決してパロディーやオマージュ作品はダメと言っているわけではありませんし狙ってやる場合はその限りではありません。
まあ、私自身ハリウッドや東映から間違いなく損害賠償請求が来るぐらい過去に使っていたわけでして....
BLOWでは「喰われたくない」という一心で全て著作権フリー素材で仕上げました。
やっぱり作るなら聞いた事の極力少ないものを使いたいじゃあないですか。
ちょっとお説教っぽくなってすいません。
 
参考にならないかもしれませんが私が何を使ったかは次回公開します。(続く)

第5回 効果音−(金属跳弾と人体弾着)−

誰も待っていないと思われるこのヘッポコ映画講座ですが(笑)音の続きです。
前回ありえないけど必要な音を説明しましたが今回は金属跳弾音と人体着弾音です。
ちょっと昔の刑事ドラマ(今でも使っているようですが)でもかなり高音域な「キーン」という跳弾音が
よく使われていましたが音的に重みが足りないと感じましたので作ってみました。

使ったのは自動車用スパナと会社の受付カウンターの金属支柱部分です。
叩く素材や面積によって音が変わってきますが車などに使用する際はあまり共鳴しないほうがそれらしく聞こえます。
パイプ椅子などでは響きが良くなくスチールロッカーですと金属音がしません。結構難しいです。

人体着弾音ですが私の敬愛する辻本貴則監督(KILLERSや竹内力主演「斬人」など)の
名作「BLAZE」でも効果的に使われておりました。
作り方はまったく古典的です。ほとんど絞らない濡れ雑巾を床に叩きつけ、その音を調整し再生するというものです。
(画面に合わせるとこれがいいんですよ)再生速度は120%前後がそれらしく聞こえます。

水の具合や叩きつけ具合によりこれまた音が変わってきます。
小豆とザルで波の音、弦楽器をベースにしたゴジラの鳴き声など昔の効果音マンはやはり偉大です。
私も自主映をやっていなければこんなこと実行すらしませんでしたよ。
「温故知新」その意味が身にしみてわかるひと時でした。

 わかりにくいですが画像中央の支柱を文字通りひっぱたいて作りました

 

        第4回 −特殊効果(弾着の合成)−

ある日スタッフが足りなく2人だけで撮影したことがありました。
カメラは引きで固定、ボンネットに跳弾の火花が飛び散る中車の陰に隠れる主人公。
私の弾着技術では1秒に1発づつが関の山。借り物の車のため仕込み、破壊は不可。
でも画面上は最低5発は弾けさせたい。さてこの場合はどうするか?プレミアで合成です。

まず、黒い背景(つや消しのもの)に弾着の動画を撮ります。
そこから火花が飛び散る瞬間の1コマを抜き出します。
それを効果が必要な箇所のタイムライン上に置きルミナンスキーで合成します。
(必要に応じサイズ調整や回転、角度調整を行います)

合成火花を置く前後(出来れば前)に本当の弾着(言い方は変ですが)があれば
漂う煙も残っているのでそれほど違和感はありません。(撮影シャッタースピードが1/30の場合)
2,3コマ空けてこれを繰り返せばマシンガンの弾着効果も得られます。
これを応用すると不発だった場合やマズルフラッシュのないカット(ガスガン使用や条件により発火できない場合など)
の補正にも使えます。

またマズルフラッシュはこのような合成ではなくフォトショップ等で描くうまい方もいらっしゃいます。
フォトショップを活用するとジョン・ウーばりに駆け抜ける(向かってくる)弾丸もできたりします。
(私も使いましたが恥ずかしい出来なので画像は省略)

      左が生撮り、右が合成

 

第3回 −小道具(ワードで作る三面記事)−

 

今回殺人事件の三面記事のカットが必要になりいろいろ考えていました。
よく使われるのが見出しと写真のみ自作し文面はスポーツ紙等を流用しコピーするものです。
でも妙に白っぽい紙質とアップにした際に野球選手や馬の名前が書いてあるのはイヤじゃないですか。
で、私は本当の新聞の印刷前の原紙(タブロイド版)を入手し全部ワードで作りました。サイズはA3です。
取引先のお客様で新聞社勤務の方がいて御願いしいただきました。
(2〜3枚でよかったのですが一週間分ぐらいどっさりもらいました。)
よく見ていればわかりますが重要事件は目立つように基本的に黒ワクに白抜き文字です。

出来は画像のとおりでそれらしく見えると思うのですが...
またこれも「こんなの普通にやってるぞ」という声が聞こえてきそうです...
                                         
 

 

第2回 −銃の音(発砲音)−

      前回の音の続きです。

      発砲音に関しては悩むところです。基本的にモデルガンの屋外発火は思ったよりいい音が出ません。(特にオート)
      リボルバーでもパンパンというショボイ音しか拾いません。発砲音の後入れは基本です。(←言い切ってしまった)
      例えば効果音なんとかなどというCDなども出ていますが大概はドキューンという一昔前の電子音です。
      狙いで使うならいいですがシリアスドラマですと失笑を買います。
      私は今回の「BLOW」でモデルガンの生音を加工して使いました。

      リボルバーは狭い室内でHWSのダブルキャップカート+αの発火音を使いました。
      (オールインワンカートですとシリンダー内で音が減殺されてあまりよろしくないのでフルサイズカートを推奨)
      音の説明は難しいですがパーンではなくズパーンという感じの音です。
      室内のシーンではエコーやリバーブで反響、残響を残してもいいでしょう。(屋外なら反響は少なめに)
      他の発火音に重ね合わせてもいい感じです。使用銃器によって調整し使い分けたほうがいいと思います。

      で、このズパーンという音、速度を遅くする(70〜50%)とあのダーティハリーの44マグナムの
      「パウーン」(なんか表現が下手ですが)という発砲音に近いものができます。(高音下げて低音上げる)
      またこの音を逆転再生すると場面転換やフラッシュバックのカットに挿入できる音(これは口では説明出来ません)
      になります。またこれをタイムライン上に重ねてレベル強弱やエフェクトをかけるとスローモーションの効果音にも
      使えるという一石三鳥の優れものです。
 

      まだ人体、金属弾着音など説明したいことがあるので以降次回ということで。(まだ続くのか)

 

第1回 −銃の音(作動音)ー

映画で音(効果音)は非常に重要です。ガンアクションでは実際では発生しない(ありえない)音も
雰囲気作りのため必要に応じ入れなくてはいけません。
例えばVシネマのパイオニア、クライムハンターシリーズでは快調に92Fを撃っています。
その際に落ちるカートリッジの音、あれは9mmでもなく45でもなくリボルバー(またはそれ以上の長さ)の
空カートリッジの音です。本物の9mm空カートは劇中のように反響音もなく単に「チリン」と鳴るだけです。
(空カートを持っている方は実際に聞き比べてください)←エフェクトだったらごめんなさい

また邦画でよくある銃口を向けた際に発する「チャキッ」という音、実弾が入っていたとしてもあんな音は
銃を振るだけでそんな音が出るわけがありません。(よっぽどガタのある銃は別)
スライドの作動音もそうですね。でも生音だったり作動音が無いと緊張感や銃の重厚感が伝えられません。

私の場合「チャキッ」音はマルシンM586のハンマー作動音(結構いい金属音します)を使い
スライドの作動音は会社にあった電動工具と自動車用レンチをこすり合わせたものにエフェクトをかけて
使いました。ハンドカフやベルトのバックルなどの音を重ねてもいいかもしれません。

その他の音については1回ではまとめきれないのでまた次回と言うことで。

 

                                

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テキスト ボックス: ここは私が映画制作に関し撮影中の事、エフェクトや編集(プレミア6)で
実際やってみたこと、良かったこと?をダラダラと書き綴っていくコーナーです。
これから映画を始める方は「こいつはこうやっている」程度に思ってください。
「そんなもんとうに知ってるわ、ボケ!」というガンアクション熟練の自主映の皆様は笑ってお許し下さい。
案外デフォルトのものや調べればわかることばかりとは思います。
内容にもし間違いがあればご指摘くださいね。