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『秘鑰』!このタイトルは、「あとがき」によると、著者が「学生時代から好きだった北村透谷の「厭世詩家と女性」の一節<恋愛は人生の秘鑰(ひやく)なり、恋愛ありて後人世あり、恋愛を抽(ぬ)き去りたらむには人生何の色味かあらむ>からとった」とのことである。「あとがき」は次のようにつづいていいる。「『秘鑰』とは、秘密のかぎといおうか、それを明らかにする手段というべきか、意味とともに字もなかなかむずかしい。元気でいられるうちはパッションを燃えたたせ、飲み遊び、その上で、その力を仕事に還元させていきたい、というのが僕の人生の考え方である。」 トンボ採りの叔父さんのごとき風采の民俗学者鳥を指さす 閉山草(へいざんそう)とも呼ばれしかつて茫茫と反りかえる様を鉱夫は見しや 青海亀を肴に呑みて語らいし永井陽子さんの左のえくぼ 飽かぬもの五つあぐれば酒タバコ女人賭事啄木のうた 若者の美容室タローを贔屓にするオジサン我は長髪なれば 購読者欲ばらずよし小さくとも日日草のごとく花咲け 四〇〇年つづきしとも聞く朝市の器にカツオは銀の腹見す |
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