第3話  へびのたたり                   富山市加賀沢



 
ヘビの大嫌いな母は、「殺してはいけない、半殺しは、尚更悪い」と言い、自分が小さい時に聞かされた話を、何度も話した。
 自分の生地から遠く離れた村の男の人が、ヘビを見ると、捕らえては殺し、食べていたら、ある時、無数のヘビが集まって来た。
 戸を開けていると、 そこから入り、閉めると、隙間や節穴から入り、障 子の破れからも入って来る。あっちからも、こっちからも入って来て、家中ヘビだらけ。そら恐ろしく、気持ちがおかしくなって、最期には、病気になったという。

杉谷和男著「加賀沢村と杉谷」