第41話  風除けの松林           富山市楡原



 風除けの松林は、大昔から楡原の南口にあり、大風の被害から村を守ってきた。しかし、発電工事のため、今は北陸電力の所有地となって、その松林も見られなくなったが、「風除け(かざやけ)」という地名は今も残っている。
 また、この松林は荷車の休憩所でもあった。飛騨から富山の農家に働きに来た手間馬をつなぎ、ゆっくり食事をしたり、昼寝をしたりする場所でもあった。
 当時は目尺二メートルもあったという天狗松も今はなく、飛騨街道は国道四十一号線と名称を変え、往来した人や馬に変わって自動車の流れが続いている。

語部 大上賢治
     
 「細入歴史調査同好会 村の今昔」