第49話  古銭の出た話         富山市岩稲



 黄金の鶏や軍用金の伝説がこの地に伝わっているが、現在の岩稲八幡宮の木造鳥居の敷地整理の際、寛永通宝一文銭が八百数十枚掘り出された。この一文銭で鳥居に形を造り、八幡宮拝殿に飾られている。
 現在の八幡宮は、合社以前は岩稲の船着場の見える高台に、渡し場の神様として祀られた社であった。渡し場は、今の田中家と武田家の下の方にあった。
 牛ケ増と岩稲とで月半分毎に交代して舟場を使ったという。舟場への道は坂道であったので、最も近くで店をしていたのが、舟坂となった。舟坂は茶屋とも言った。近くに道標があり、法界様も立ててあったが、国道工事で今の場所に移された。古い石碑である。
   
「ふるさとのわらべうたとむかしばなし」細入婦人学級編