第59話  塩壁のお告げ        富山市下夕



 下夕地区の芦生の南、村はずれに塩壁(カベは岩壁のこと)といわれる砂岩層が 露出していた。昔、白髪の老翁が川下から上ってきて、「この砂を水で洗い、その洗い水を釜で煮れば、よい塩がとれるであろう」と、村人に教えて姿が消えた。
 その後、この砂を舟で大久保の塩村へ運んで塩を煮たという。この層も、神通第二ダムができたとき、その姿を消した。
                                    
「大沢野町誌」