第66話  雨乞い瀧           富山市楡原

 楡原の石繰谷が神通川に出るところに五メートル程の雨乞いの瀧があった。
 今から五百数十年前のこと、大変に暑い年のことで、日照りがつづいて水が全くなくなったとき、楡原上行寺の大徳和尚が、これは、村の瀧に雨乞いする以外にはなかろうと考えた。そして祈祷をすると、どうしたことか、急に大雨になって田畑はどうにか生きかえった。雨乞い瀧の名はこのときから起こったのだと伝えている。
 こんなわけで、それから雨の少ないときは雨乞いの祈祷をするようになった。
 この瀧の中ほどに大きい穴があって、それが瀧の行き来をするところだとも伝えている。


               
「細入村史」