第95話  殿様の清水     富山市春日



笹津駅から西へ五百メートルほど行った所にある春日公園の東の一角に「殿様清水」がある。
 江戸時代、この地には富山藩の塩蔵があり、飛騨へ塩を運ぶ時の中継要所となっていた。その御蔵番の殿様が好んでこの湧水を飲んだことから「殿様清水」と名付けられたといわれている。殿様は湧水のおかげで一生無病息災であったそうだ。このことから今でも守られ地域の人に親しまれている。
 夏は冷たく冬は暖かいこの清水は、水質分析の結果「穴の谷の霊水」(全国名水百選の一つ、上市町)に似ているということである。昭和六十年には「とやまの名水」に指定され、万病に効く霊水として、多くの人が汲みに訪れる。
 遠く石器時代の遺物が一時盛んに掘り出され、出土品の所在地としても有名である。
                                    
「大沢野町誌」