第99話  宮越用水         富山市下伏



 取り入れ口は、八尾町桐谷部落の川尻というところで、九婦須川から引いています。八尾町の桐谷、宮腰を通って大沢野町根の上、土、下伏までつづいています。この用水は、一八四八年(嘉永のころ)に取りかかり、一八六三年(文久三年)に宮腰まで通しました。その後、八尾町の北谷・岩屋・かし尾・井栗谷まで引かれ、一八六七年(慶応三年)に分水されて大沢野下伏まで引かれました。
 根の上村の半助、土村の六平、下伏村の九左衛門、そのほか、八尾町がわの地主たちが、富山藩主の前田氏に何回もお願いして開発にあたりました。山や谷の多いところでの工事は、農民にとっては大変な負担でした。中には、家財道具を売っても、土地をはなれず開こんに力をそそいだ人もいました。そのおかげで、山の頂上まで水田になりゆたかになりました。
  
大沢野町教育センター「わたしたちの郷土 大沢野町細入村」