雨乞岩不動尊


 御前山の頂上から神通川の方へ少し下りたところに「雨乞岩」と呼ばれる大きな岩屋があり、不動明王が安置されています。帝龍寺のある寺家地区を含む船峅一帯は、その昔加賀藩の領土であり、この「雨乞岩」は富山藩との境界にあたります。両藩の境界線が稜線よりも少し富山藩側寄りに引かれ、「二分下がり」となっているのは、本家である加賀藩と分家である富山藩との力関係を表しているといえます。
 毎年6月13日(現在は6月第2土曜日)になると、水田に水が十分行きわたって豊作になることを祈願し、帝龍寺住職が導師となって、ここで雨乞いの行事が行われます。
 以前は不動明王の木像が安置されていましたが、破損がひどくなったため、現在は新たに彫られた石像が安置されています。木像の方は、帝龍寺本堂に安置されています。