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事件の後 ジル・バレンタインは旅立った。 クリス・レッドフィールドと 合流するためてある。 だが……ジルを待っていたのは ものけの殻となった隠れ家であった。 床にはクリスのナイフが道標のごとく 鈍色の光を放っている。 ジルは迷いなくその場を立ち去った。 彼女は信じている。 必ず生きて再会する、 そう盟友と誓ったのだ。 |
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「クレア、すまない」 クリス・レッドフィールドは 何度目かの手紙を いつもの言葉で締めくくった。 サングラスをはずして カフェの温かい日差しに目を細めると 目の前を娘が軽やかに通り過ぎていく。 ……年の頃は妹と同じであろうか。 その後クリスは自分の行方を追い 妹が戦いに身を投じている事実を知った。 |
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バリー・バートンは 幼い娘達の前にかがみ込むと ゆっくりとかぶりをふった。 「すまない、仲間が待っている」 一度は家族のため、裏切りに 手を染めようとしたこともあった。 それが仲間に許された時、男は家族と 離れても信頼に報いる意思を認めたのだ。 「あなた、私達は大丈夫……」 妻は花のような笑みを浮かべ、 精一杯の背伸びで夫にくちづけした。 |
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レオン・スコット・ケネディは アメリカ政府情報局員を名乗る男を 前にしていた。 「俺を殺すのか……」 男はゆるく唇を笑みの形にゆがませる。 「シェリーはよせ。あの子に罪はない」 「ああ、だが知り過ぎている」 男は目線を上げ レオンの顔を正面から見据えた。 「率直に言う、我々は君の能力を 高く評価している。悪い話ではない。 穏便にすませるなら選択は一つだ」 レオンは目を閉じ、そして答えた。 |
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「俺とシェリーを置いていくんだ」 クレア・レッドフィールドは レオンの言葉に耳を疑った。 「レオン、どうして?」 「君は兄貴を探しているんだろう?」 負傷しているレオンと衰弱したシェリーは 一刻も早い保護を必要としている。 しかし彼女にはこれ以上の 時間的余裕はなかった。 「私……必ず帰る。約束する!」 クレアはひとり荒野へ消えた。 |
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「身寄りは?」 軍将校がつとめて穏やかに問いかけても シェリー・バーキンは答えなかった。 少女に肉親はいない。 自らが生み出した軍用ウィルス“G” によって無残な最後をとげたのだ。 少女は自身の両腕で身体を抱きしめると 小さな唇をかみしめた。 きっと戻ってきてくれる……。 孤独なシェリーにとって クレアの残した赤い皮ジャケットだけが ただひとつ残された人との絆であった。 |
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女は鏡に映る自分の姿を見つめていた。 エイダ・ウォンと呼ばれた女……。 しかしその名前に 別れを告げる朝が訪れていた。 次の仕事まで、あと数刻。 「私はもう、エイダじゃない……」 わき腹には真新しい裂傷があった。 女がエイダであった時 愛した男を守るために受けた傷である。 「これはエイダの傷、私の傷じゃない」 エイダ・ウォンで無くなる朝 女はとめどない涙を流していた。 |
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「またあんただけか、死神」 回収した唯一の兵士がハンクである ことがわかると ヘリのパイロットは毒づくように言った。 「いつもだ。あんただけが生き延びる。 どんな地獄のような戦場でも」 ハンクはパイロットには応じず、 回収したカプセルを掌に取り出して もてあそんだ。 地獄は死神の領域である。 「死神は死なず、か……」 生還者はかすかな笑みを浮かべていた。 |
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