H&K UMPは
GUN誌96年9月号に新型サブマシンガンとして紹介されました。
―実銃の開発背景と特徴―
米軍特殊部隊やFBI内では9mmx19ではパワー不足と不満が出ており
再度45口径が注目されることとなり米軍特殊部隊がSOCOM採用と共に
同口径のサブマシンガンの開発を要請。過去にお蔵入りとなったSMG1の
開発データを基にUMPを開発。
コストダウンならびにG36と操作の類似性を持たせるように設計されている。
材質はポリ・アミド系のの強化プラスチックで内部にカーボンファイバーを混入し
耐久性を増大。10万発の使用に耐えられる。
前回のワルサーMPKでの失敗(コッキングレバーがダミー、オープンカート仕様)を踏まえ
コッキング出来、発火はCPカート、を必須条件にしました。 中の素材は当然信頼性の高いものを。
そこで手持ちの銃の中で白羽の矢が立ったのがベレッタM12Sです。(もったいないなどと言わないように)
この時点で外装を何にするかはまったく決まっていませんでした。
ネットで調べているとマガジンが傾斜した無骨な銃を発見。それがUMPです。
まあ、ただ単にマガジンの傾斜角度とグリップやコッキングレバー位置が似ていただけなんですけど。(笑)
BLK2005でも課題にMP5がありましたしHK繋がりで横にでも並べられれば、と簡単に思っていました。
が、ほぼ丸1年こいつと格闘することになろうとは...
左側面 それっぽく見えますか? 右側面 かなりアレンジしてあります マルイエアコキMP5との比較
ストックは折りたたみ可能 通常分解の図
ベースのM12Sのグリップ部分の削り具合に注目
外装は3mmのアクリル板からの箱組みです。一部パーツ(前後サイト、ストックなど)はマルイG36Cから流用しました。
ベースガンを生かすのが大前提なので実銃スケールは無視しました。
ただバランスは大事なので実銃画像をコピーし長さ、高さはその比率から計算し各パーツを切り出しました。
とはいっても長すぎて切ってみたり組み上げてからそのバランスの悪さに凹んでみたり。
アッパーレシーバーの逆アール部分(コッキングレバー付近)も時間がかかりました。
まずタフロンリベース(プラリペアと同じような素材ですがヒケにくく量もあり安い)で大まかに埋めてから
ひたすら削る。ブラックスチールを噴いて仕上げの悪いところをエポキシパテや瞬間接着剤で埋めてから
また削る。ブラックス(以下同文)を何回も繰り返し仕上げました。
タフロンリベースもアクリル板も硬度があるようで180番や220番のペーパーでも手強かったです。
(逆に削りすぎることがなく良かったのかも)
トリガー部周辺 マズル部 メンテと拡張性を考え脱着式に。 ストックはマルイG36Cをベースに加工、延長
ボルトリリース、セレクターはダミー サプレッサーつくりたいなあ。
マガジンはスチールのままですが
実銃でもこのような装着例があるのでまあOK。
ベースガンは上排莢なので大きく開けてあります 刻印 汚いです... マズルを外したところ
ボルトリリースの丸い部分はM712のマガジンキャッチを プラM16のバレル段差部を利用し
型取りしタフロンリベースで抜きました M12Sカートをねじ込んであります
実銃で最も資料が無かったところがここです 個人的趣味でダットサイトを載せてみました コッキングレバーの位置関係がわかると思います
かろうじて判別できる画像がありました チャイナG36の付属品なのでカートが当たっても レバー固定はボディーナット(車の下回りのカバーを留めるもの)
ストック固定の突起はG36Cのものを流用 全く気にしません。レイルは溶着してあります を使用。ちなみにこの部品もドイツ製。
仕上げはバレル部分はブラックスチール、その他はマルシンのサテンブラック(物持ち良すぎ)を噴いてから(これがなかなか乾かない)
インディのブラックパーカーで仕上げました。表面のざらつき感がもっとほしかったと思っています。
今回箱組みやスクラッチを甘く見ておりました。
もっと技術レベルを上げてからの方が良かったと思います。
またカスタムはひたすら忍耐です。ある意味精神修養です。(しみじみ)
しかし
出来上がるまでは大変ですが出来てからの充足感は何にも替えがたいものです。
参考にならない製作日記はこちらから。
BLK2005での発火シーン(画像提供GOROさん)
またM12Sカートはインナーが撃ち空キャップ仕様です。インナーの長さは8mmですがより確実性を求めるため
今回HWインナー(長さ8,5mm)を使いました。特に本体への負荷は無いように思います。
M12S発売当時のレポート(チャレンジャー誌)にもありましたが排莢位置にばらつきがあるようです。
私がテスト発火した際はすべてカートが前に飛んでいましたがBLK当日は見た人によればかなりカートがダットサイトに当たっていたとのこと。
(EJポート後端にも激しくぶつかった跡がありました)
で、恒例のスクリーン上での活躍ですがマトリックスリローデッドでツインズがバリバリ撃っていたり(1回見たはずなのに全然覚えていない)
バイオハザードUでも出ていたらしい(これまたジルばっかり見てて全然確認していない)です。お恥ずかしい...
唯一確認したのは12月公開の(2005年11月現在)「Mr.&Mrs.スミス」です。(国際線機内で見ました)
劇中アンジェリーナ・ジョリーが夫婦ゲンカ?のシーンでダットサイト、サプレッサーつきのUMPを室内で撃ちまくってます。
マガジンチェンジもしています。
個人的にH&Kは「プロのツール」と言う感じがします。やはり主人公やプロの刺客に持って欲しいですね。
さて、何とか今年のBLKも終了しました。またゼロからのスタートです。
変わったものは作りたいですがフルスクラッチはかなり疲れます。
新規モデルガンがさっぱり出ない昨今、究極の道楽として自作するのもいいですが
モデルガンにすぐ転用できるような機構と外装を持ったエアガン(当然法に則って)
を作る漢気のあるメーカーさんは無いのでしょうか?....
それまでは全日本BLK計画は永遠に続いていくでしょう。
がんばれモデルガン!!
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