あねくらひめ
  じんじゃ
こくぞうさま

 寺家公園の中に,姉倉比売神社があります。帝龍寺前の階段を上って鳥居をくぐると、左手に社務所が見えてきます。さらに進むと、大きな拝殿があります。元旦祈願祭、春と秋の祭礼などの行事は、この拝殿で行われます。
 拝殿の奥にある階段を上って100mほど進むと、左手の森の中に鳥居が見えてきます。鳥居をくぐり、富山県指定天然記念物のアカガシ林を右手に見て、階段を上った所にある小さなお社が姉倉比売神社の本殿です。
 姉倉比売神社は、帝龍寺とともに、船峅の歴史と深く関わっています。

○姉倉比売神社(あねくらひめじんじゃ)

  古事記や日本書紀によれば、紀元前30年頃、姉倉比売がこの地一帯を統治し、農耕と機織りを住民に広めたとされています。以来、機織りの神としてこの地に祀られ、延喜式内三十四社の一つに位置付けられています。
  この神社は、神仏混淆(しんぶつこんこう)の名残を今日にとどめ、正月の元旦祭には、帝龍寺の住職が神社の拝殿で神楽太鼓をたたき、息災延命、家内安全などの祈願を行っています。

 また、呉羽小竹野(現在の富山市呉羽町:JR呉羽駅前)にも同名の「姉倉比売神社」があります。
 姉倉比売にまつわる伝説は、【ふなくらものがたり「あねくら姫」】のページへ

○姉倉比売と虚空蔵菩薩さま

  帝龍寺の虚空蔵菩薩(秘仏)は、姉倉比売神社の本地仏として京都嵯峨野からお迎えし、古くから祀られてきました。開創当時の帝立寺御本尊でもあるこの虚空蔵菩薩は、女性に知恵を授ける仏様として知られており、女神である姉倉比売にはもっともふさわしい仏様といえるでしょう。姉倉比売神社の氏子で本地仏虚空蔵菩薩を護持し、33年に一度帝龍寺本堂から神社拝殿に遷座(せんざ)し、御開帳をする習わしが今も伝承されています。次の御開帳は平成36年(2024年)に行われる予定です。