船峅山帝龍寺報
ふなくらまんだら

第 54 号
平成20年6月発行
富山県富山市舟倉2334  高野山真言宗 船峅山 帝龍寺

今月の行事
 

【6月の予定】
 6月14日 雨乞岩不動尊祭
 6月15日 宗祖降誕会
      (浜黒崎 泉福寺にて)
【7月の予定】
 7月20日 猿倉社祭
       船峅南部老人クラブ連合会宗教法話講

お知らせ

◆観音堂の周りにシャクナゲなどの花木を植え、飛び石を置いて歩けるようにしました。順次整備していく予定ですが、四季折々の花や紅葉をお楽しみいただけるようにしたいと思っています。観音堂をお参りの際、よろしければ歩いてみて下さい。
◆観音堂前に献灯、献香台を設置しました。富山県指定文化財の御本尊は、8月18日のみ年に一度の御開帳のため、公開していませんが、三十三観音をお参りされた後、満願成就のお参りをしていただければと思います。お線香(1束50円)、ろうそく(1本50円)を準備していますので、どうぞご利用下さい。

ひとこと法話

◆若き日の空海◆
 お大師さまの降誕会で、弘法大師一代記のリレー法話を行い、私が青年期を担当することになりました。
 真魚(お大師さまの幼名)さまは、伊予親王の個人教授を務めていた叔父の阿刀大足を頼って、15歳で讃岐の国から都へ上られました。18歳の時、日本で唯一の大学に入学された真魚さまは、学業優秀で多くのことを学ばれましたが、国家の官僚として生きることに意味を見いだせなくなり、生きる意味を見つけるために大学を自主退学し、私度僧として山野修行に入られました。出家された真魚さまは、何度か改名された後、空海と名乗られました。24歳の時、「三教指帰」を著して、儒教、道教と比較して、仏教の優れた点を示されました。虚空蔵求聞持法という超記憶術を実践して、仏教の経典から多くのことを学ばれましたが、まだ多くの疑問が残りました。ある日夢のお告げで、久米寺の塔にある「大日経」と出会いました。密教の教えこそ自分の求めるものだと感じて、唐の国で正式に学びたいと思われたのです。そして31歳で唐の国に渡ることができました。
 青年空海のあふれるエネルギーが、人生の不可能を可能に変えてしまったようです。密教の正当な継承者となるお大師さまの周りに、運命の大きな流れを感じます。

ご 意 見
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