船峅山帝龍寺報
ふなくらまんだら

第 3 号
平成16年3月発行
富山県上新川郡大沢野町舟倉2334  高野山真言宗 船峅山 帝龍寺

今月の行事

【3月の行事】
 3月10日 秋葉社祭
   14日 涅槃会(団子まき)・青年御講
   24日 虚空蔵祭り
(その他)−−−−−−−−−−−−−
 3月21日 弘法大師御入定日

お知らせ

 今月は、涅槃会(お釈迦様の命日2月15日:帝龍寺では月遅れで実施)があります。涅槃は、古代インドの言葉サンスクリット語(梵語)で「ニルバーナ」の音訳で、人間としての身も心も滅して永遠の悟りの世界にお入りになったことを意味します。当山では、江戸時代から伝わる涅槃図をお祀りして読経します。涅槃図は、お釈迦様の入滅を悲しむ多くの弟子や動物の姿を表したものです。常緑である沙羅双樹の葉が白く変わった様子や、悲しみの中で笑っている天邪鬼(あまのじゃく)の姿も描かれています。
 また涅槃会の終わりには、五色の涅槃団子(当地では「しゃかんだご」という)をまきます。この団子は、仏舎利(お釈迦様の遺骨)をかたどったもので、大きな2個の膝頭もあります。拾った団子を持ち帰って食べると、お釈迦様の命をいただいて病気にならないといわれます。また、小さな袋に入れて、お守り代わりに持ち歩く人もいるようです。
 以前はお年寄りから子どもまで、団子まきを楽しみにしていましたが、最近は少し人数が減ってきたようです。ぜひ家族そろってお参りし、涅槃図をじっくりと見て新しい発見をしたり、お団子をたくさん拾ったりして下さい。

ひとこと法話

◆真言宗は「自力」?それとも「他力」?◆
 「真言宗は自力ですか、それとも他力ですか。」とよく尋ねられます。そんなとき、私は「どちらでもありません。『三力』です。」と答えるようにしています。
 「三力」とは、自らの「功徳力」と如来の「加持力」に「法界力」を加えたものです。法界力とは、大日如来を中心とした大宇宙に秘められた力のことです。密教では、この法界力を引き出すために、さまざまなよい行いを自ら実践して功徳を積んだり、印を結びお経や真言を唱えて大日如来をはじめとする諸尊の力を招来したりするのです。
 私たちは、心を清浄に保ち(意密)、手を合わせて印を結び(身密)、御本尊の真言をお唱えする(口密)などのよい行い(合わせて「三密」といいます)を実践することで、自分自身が仏様と一体になることができます。真言宗では、これを「即身成仏」といいます。生きながらにして仏心をもち、仏様のような行いができる自分を自覚できたら、素晴らしいと思います。
 日々の生活に追われ、仏様と向き合う時間がなかなか取れないのではないかと思います。少しでもこうした時間を確保し、「即身成仏」や「三力」を体感してほしいと思うのです。

ご 意 見
メールでご意見をお寄せ下さい。

先月号へ