市街地の背景に、屏風のように広がる山並み。富山県を象徴するものとしてよく見られる風景です。
立山連峰は富山県東部、中部山岳国立公園の北側に位置し、黒部峡谷を挟んで西側を立山連峰、東側を後立山連峰と呼ぶのが一般的です。立山連峰には雄山(3,003m)、剱岳(2,998m)、大日岳(2,501m)、薬師岳(2,926m)などがあります。後立山連峰には朝日岳、白馬岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、野口五郎岳などがあります。
厳密に言えば、「立山」という山はなく、山並み全体を「立山」と言います。「立山」が最初に現れる文献は奈良時代の『万葉集』です。その中で大伴家持は
立山(たちやま)に 降り置ける雪を常夏に |
見れどもあかず 神(かむ)からならし |
(立山に降り積もっている雪を、夏の間ずっと見ていても飽きることがない。
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これは立山が神(カミ)の山であるからであろう) |
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と詠んでいます(『立山賦』)。当時は「タチヤマ」と呼んでいたのです。諸説ありますが、「そびえたつ山」、またはその姿が「太刀」のようだから、「カミが降り立つ」山などという説が有力と言われています。 |